2020年11月10日火曜日

pairsの自己紹介文の意図

前回の記事でpairsの話が出た。散々ネタとして擦り続けてきたマッチングアプリの一件だが、そろそろ自己紹介文がどうしてあんな感じになったのかという裏話をしておこうと思う。

1. 友達やblogのファンを増やしたかった
いきなり恋人を目指すのは私としても心理的ハードルが高い。そこで、とりあえず異性の友達を増やすことができればいいや、と目標を下げてやってみることにした。何事も気楽に構えていくのが大事である。私はeasygoing styleの重要性を料理人・Jamie Oliverから学んだ。
私に親しい人はわりかし私のblogを読んでくれている。むしろblogきっかけで親睦を深めたという人も多い。そこで、まずblogを読んでみたいと思わせるのを狙ったわけだ。そうなると、いつものノリで初めての人向けの記事を書くとどうなるか、を考えればいいということになる。

2. 男性のメインストリームの競争で勝ち抜くのは厳しい
基本的に男性にはいいねが来ない。そもそも男性のほとんどには外面的魅力がない。女性アイドルと比べて男性アイドルの人数が少ないことからもわかるだろう。あるいはニコ生主とか、VTuberとか、そういうのを見てもいい。男性は注目を集めにくい。その意味で男性性は無価値である。
男性の場合放っておいてもいいねが来るということはまずないため、どうにかして差別化戦略を練らなければならない。いいねを得やすい男性というのは、いわゆる3高 ーー高身長、高収入、高学歴ーー を兼ね備えたような人だ。私には東大卒という肩書きだけはあるが、3高をありがたがるような女性が私の頭脳をありがたがるかというとそれはちょっと違うだろう。「東大卒」が100点なら「理系」で-30点、「博士課程進学を検討中」で-120点である。博士課程進学を検討するような人間は、自らをむしろ"低学歴"とみなすべきだろう。
こうなってくると、もう奇策に走るしかないわけだ。いや、奇策に走るというと聞こえが悪い。私がやったのはブルーオーシャン戦略だ。誰が何と言おうと、ブルーオーシャン戦略である。

3. ロクな趣味がない
共通の趣味をきっかけに知り合うというのはよくある話だ。だが、私の代表的な趣味はといえば、自己紹介文中に書いた通り、「キムワイプ卓球、ブログ執筆、クロスワード作り、工場見学、ゴーヤーチャンプルー作り」である。あとはスマブラ(*1)をしたり、まんがタイムきらら原作の深夜アニメを見たりしている。一応も趣味かもしれない。だが、これで誰と知り合えるというのか。キムワイプ卓球をやっている人なんて、既に大体知り合いである。
無趣味というほど無趣味でもないが、趣味は出会いに使えない。これでは私がどんな人なのか知ってもらうきっかけがない。知ってもらうためには、「ブログ執筆」の趣味を活かして最大限読ませる文章を書くしかなかったのだ。

4. 逆にこれで誰が食いつくのか興味があった
明らかに場違いだという自覚は一応あったが、逆にこれで誰からいいねがくるのか実験したい気持ちがあった。これでいいねしてくれる人がいたら、それはきっと良質な人であろう。
結果として個性的な方々とやりとりできて、とてもよかった。

とりあえず、pairsでの目標の半分は達成されたとみてよいだろう。残りの半分については......今後の研究課題としておこう。

(*1)ちなみに、好きなキャラはパックマン、ゲッチ、バンカズである。VIP未達。

2020年11月9日月曜日

Twitter広告

そういえばTwitter広告の話をまだしていなかった。

私のblogのアクセス数は、大体1記事100程度である(*1)。私1人で10回くらいアクセスしているから、実際はもっと少ないと見ていいだろう。たまにblog経由で私のフォロワーになってくれる人がいるが、基本的に身内しか読んでいない。
別に人生をウケに捧げて大バズを狙うつもりはない(*2)のだが、身内だけに限ってみても「無KのK」の固定ファンは3人だか20人だかいるわけで、読みさえすれば私の記事を気に入ってくれる人はもっといるのではないかと思う。ただ、どうやって身内の壁を越えて潜在的なファンまでリーチするのかが問題である。

そこで、約5,000円を投じてTwitter広告を打つことにした。このblogには今のところ全く広告を貼っていないから、blogによる収入は0円である。今後収入が生じる見込みもない。それなのに宣伝費をかけるのは、単なる私の酔狂だ。

実際のツイートがこちらである。

何か写真があった方が人目を引くだろうということで適当に写真を選んだ結果、箱で運ばれる鶏3羽の写真になった。これは確か、京大のクジャク同好会の新歓で鳥の丸焼きを食べたときの食材の写真だ。
私は以前アメリカに行った(*3)際に砂漠地帯を訪れているので、今にして思えばそのときの写真を使えばよかったのだが、どういうわけだか鶏3羽の写真である。まあ砂漠でも鶏でも大して変わりはないだろう。どちらも物質であるという点では同じである。

結果はイマイチだった。費用¥4,521に対して、リンクのクリック数は433だった。
プロモツイートには現在17件のいいねがついているが、うち8件は私のフォロワーによるものだ。私のフォロワーが増えたわけでもなく、どこかで言及されたわけでもない。あったことといえば、私の後輩に「何やってるんだコイツ」と思われながらプロモツイートのスクショを撮られたことくらいだ。

ちなみにpairs(マッチングアプリ)の男性3ヶ月プランは約7,000円だった。本来の目的で有効活用できたのかはこの際問題にしないことにして、ブログの読者を増やすという意味ではこちらの方が余程効果的だった(*4)と言えるだろう。

(*1)たまに1000くらいいくこともある。「続・私の院試体験(1)」は今見たら913アクセスになっていた。
(*2)そこまで人を面白がらせる才能もない。
(*3)ref. K鳴狗盗: 思い出の石
(*4)読み手の反応をダイレクトに聞けるというのも良かった。

2020年11月6日金曜日

催眠音声を聞いてみよう!(R-18 ver.)

noteに「催眠音声を聞いてみよう!(全年齢向け)」という記事を書きました。この記事では、催眠音声初心者の方に向けてnoteに書けなかった成人向け音声の紹介をします。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。

2020年11月4日水曜日

ビッグミントタブレット

私はタブレット菓子をよく食べている。タブレット菓子というのは、ミント風味の香料を人工甘味料と一緒に固めた錠剤型のお菓子のことである。フリスクとか、ミンティアとか、そういうやつだ。食べると脳が刺激されて集中力が上がる気がする。昔はガムをよく噛んでいたのだが、噛みすぎて顎が痛くなったのでやめた。

特によく食べているのが、トップバリュのミントタブレットという商品だ。箱ではなく袋に入っていて、ミンティアやフリスクよりも容器包装のプラスチック量が少なくちょっとエコな感じがする。
いつものようにスーパーに行ってみると、ミントタブレットの隣にビッグミントタブレットという商品が並んでいるのを発見した。通常版のミントタブレットよりも一粒一粒が大きいらしい。重量当たりの価格で比較するとこちらの方が少し安いようだ。私は喜び勇んで、ストロングとクールの2種類を購入した。

ミントタブレットとビッグミントタブレット(表)

早速開封して食べてみた。

......ん?こんな味だったっけな。

比較のため通常のミントタブレットを食べてみるが、やはり味が違う。ビッグの方は少し苦いように感じられる。食感もボソボソしているし、噛んだどきに鼻に抜ける清涼感もやや弱い。何か妙だ。裏面を確認してみた。

ミントタブレットとビッグミントタブレット(裏)

何と成分が違うではないか。ステアリン酸カルシウムが乳化剤に相当するのかどうかはよく分からないため置いておくとして、ビッグのストロングの方はカフェインが入っていない。クールはもっと違いが顕著で、甘味料の組成が全く違う。道理で味が違うわけだ。
更に見てみると、作っているところも違うようだ。通常のタブレットは日本のカバヤ食品が作っているが、ビッグミントタブレットは韓国のメーカーが作っている。韓国のメーカーの名前は出ていない。値段と大きさと味と食感と原料と製造メーカーが違うとなると、それはもう全く別の商品というべきではないか。大方、イオンの担当者が韓国メーカーのお菓子に目をつけ、ガワだけ変えて自社ブランドで売り出そうと考えたのだろう。「韓国だからよくない」「韓国製品は全部ダメだ」といった、相手してはいけない系の人みたいな主張をするつもりは毛頭ないのだが、騙された感じがするのは否めない。
安いからと言って書い続けるのも癪である。フリスクかミンティアに乗り換えようか迷っている。

2020年11月3日火曜日

君は植田一石先生の授業を受けたことがあるか?

学部3年の頃、数学科の植田一石先生による「構造幾何学」という授業を受けていた。内容は位相力学系の話だったのだが、この授業で印象的だったのはむしろ雑談の方だ。植田先生は、今まで私が授業を受けてきた中でも最も脱線の激しい先生だった。
ある日は、力学系における測度論的エントロピー(Kolmogorov-Sinaiエントロピー)の話だったのだが、エントロピーから情報エントロピー(Shannonエントロピー)の話になり、情報といえばということでなぜか北欧のスパイの話になった。また別の日は力学系のζ関数と構造行列の関連についての話だったのだが、ζ関数といえばということで「ζ関数を神と崇め奉っている危ない人達がいて、その人たちの前で引数をs以外の文字で書くと逆鱗に触れる」というなんだかよくわからない話に脱線した。
試験も印象深いものだった。植田先生は前々から「授業最終日に試験の予想問題を配る」とおっしゃっており、我々学生は「自分で自分を予想するのか......」と困惑していたのだが、いざ試験当日になってみると予想問題がそっくりそのまま配られたのである。予想的中率100%であった。

とにかく始終がそんな調子で、まるで講義を聞くというより夢を見ているかのような、非常に独特な授業だった。そんな植田先生の授業は東大に通わないと味わえないものだと思っていたのだが、先日こんな動画を発見した。読者の皆様にも紹介しよう。

2017年度 沼田市中学生のための玉原数学教室

これは植田先生が中学生向けに講演されたときの動画である。相手が中学生といえど全く遠慮せずいつもの冗談(冗談かどうかも定かでないが)を飛ばしていく、アクセル全開の授業だった。百聞は一見に如かずというように、是非冒頭だけでも見てほしいのだが、のっけから

・厨二病感を出そうと思って「無限の話」というタイトルにした
・「無限の話」というと「数学における無限について話をする」のか「いつまでも話をする」のかわからない
・これはわざと曖昧にしている
・日本語の曖昧という言葉自体が曖昧で、「曖昧」には「ambiguous」「vague」の二つの意味がある
・「いつまでも話をする」といったが、死んだら話ができないので現実にはできない
・そうでなくてもご飯を食べなくてはいけない
・「無限」を表す記号には「∞」だけでなく「א」がある(黒板に書くが、書けていない)
・「א」が書けない数学者はよくあることだろうが、更に重症になるとひらがなが書けなくなる
・私はそこまで重症ではない
・数学は抽象的な学問
・「抽象」の対になる言葉として、ここでは「具体」ではなく「捨象」を取り上げる
・インドとかにいるあの大きなゾウを捨てているということで、いかにもいっぱい捨てていそうな感じがする

という具合に話が進んでいくのだ。これでも一応冒頭を要約したつもりである。一体いつから本題が始まるのか、それとももう本題なのか、この講演は一体どこに向かっているのか、さっぱりわからないまま聞き進めないといけない。これを最後まで聞いていた中学生は、一線で活躍する本物の数学者の話を聞いて、果たして何を感じ取ったのだろうか。


植田先生の話が聞ける動画は他にもある。次に紹介するのは植田先生が着任されたときのインタビュー動画で、これまでの経歴や研究姿勢について紹介するという趣旨のものである。これが真面目なインタビュー動画と思えないほど面白く、一部の学生の間では語り種となっている。

2015年度 ビデオゲストブック

私が思う見所を2つ紹介しよう。
  • 4分30秒くらいから、「文系の女子大生を2人向かい合わせて立たせて、1人に「かわいい」と言わせると、お互いに「かわいい」「かわいい」と言い合って「かわいい」が共振増幅されてレーザーが出る」「東大数理の学生を2人向かい合わせて立たせて、1人に「賢い」と言わせると、お互いに「賢い」「いやお前の方が賢い」と言い合って「賢い」が共振増幅されてレーザーが出る」というくだりがある。
  • 13分くらいから、「内容が分からなくても90分間セミナーに出続けろ、そうすればボディーブローのように効いてくるから、という教えがある」「ボディーブローのように効くということはそのセミナーに出続けると倒れるのか」「鍛えていない普通の人はボディーブローを受けたら一発で倒れる」というくだりがある。
何がどういう流れでこんな話になったのか。それは君自身の目で確かめてくれ。

2020年10月25日日曜日

芝公園の妖怪

知り合いに国語の教員をしている女性がいる。昨日、彼女から、マッチングアプリで知り合った男性と会ってみたらひどい目に遭ったという話を聞かされた。仮に、女性側をA、男性側をBと呼ぼう。


AとBは夜の芝公園で会った。当然2人は初対面である。Bは慶應の文学部出身で、大学では歴史を勉強していたという。Bは背が高く、顔立ちも整っていて、自信家のようであった。だが、よくよく話を聞いてみると、Bの発言は言っていることの意味がよくわからないのである。

例えばこうだ。
B「君は感覚派なんだね。感覚派なのに、君はこんなにも美しい」
A「どういうこと?」
B「理論ではなく、感覚で物事を捉えている。美しい薔薇にトゲがあるように、君の容姿に惹かれた人は感覚派というトゲに刺さってしまう」

どういうことなのか全くわからない。何が「なのに」なのだろうか。一体どの点で逆接になっているというのか。感覚を重視することと、容姿に何の関係があるのか。感覚派なのはトゲというべきことなのだろうか。
そもそもAは別に感覚派ではない。

あるいはこうだ。
B「(東京タワーのライトアップを指して)高校生の頃、初恋の人に僕はここで告白したんだ」
A「ロマンチックだね。成功したの?」
B「成功すると思うよ」

意味がわからない。成功すると思うとはどういうことなのか。Bがここで告白したという出来事は本当にあったことなのか。果たして過去は実在するのか。それとも、過去なんて全部消えてしまっていて、'今'以外この世界のどこにも残っていないのだろうか。

しまいにはこんな感じになったらしい(*1)。
B「君はたぬき顔だね」
A「うん」
B「タレ目だし、お腹もポンポコで(*2)」
A(失礼だな......)
B「僕は犬顔なんだよ。街を歩いていても小型犬は吠えてくるんだけど、大型犬はお辞儀してくるの。犬には僕が賢いってことわかるんだろうね。犬顔だから」
A「私がタヌキに親近感湧くのと逆の話かな」
B「子犬だと思って拾ってきたらタヌキだったって話もよくあるしね」
A「……タヌキってイヌ科だもんね」
B「うん」

「うん」ではない(*3)。

Aは、東京タワーのライトが消えたことに気がついた。東京タワーの消灯時刻は午前0時だ。終電まであと4分である。このままここにいるとヤバい。Aは、トイレに行くと言って(*4)、Bを残して一目散に逃げ去った。Aは身の危険を感じていた。貞操の危機であれば、マッチングアプリを始めた時点で事前に想定することはできていた。しかしそこにあったのは、もっと別の何か ーー脳への危険ーー だったのだ。


一連の話を終えたAに対し、私は重たい沈黙を放っていた。Aは、私に大丈夫かと尋ねた。私は、Bに関する話を聞き、それに相槌を打っているうちにみるみる生気を吸い取られて、それが見て取れるほどに衰弱していた。
Aは「他の人にもこの話したけど、(貞操の危険ならともかく)私が感じた危険はなかなか分かってもらえなかったから、分かってもらえて嬉しい」と言った。聞けば、この話でダメージを負ったのは私が初めてということだった。
私は答えた。「論理がおかしくて......ヤバかった。脈絡がなく話が飛ぶとかじゃなくて、もっと理解ができないやつやった。俺は文章を書くのが好きやけど、やからこそダメージを負ったというか......この話を聞き続けると、俺は俺の文章を書けなくなる気がする。他の人は、話を聞きながらそこまで論理の流れに注目していないのかもしれない。君は国語の先生やから、意識的にせよ無意識的にせよ、接続詞に注目して聞いているやろうし」
ここまで言って、私にある考えが浮かんだ。「これって、妖怪とか、物の怪の類やったんじゃないやろか。ほら、目を合わせてはいけない妖怪みたいな話あるやん。それの論理バージョン」
Aは言った。「じゃあ、あのまま話を聞き続けたら......」
私は答えた。「"あっち側の世界"に取り込まれて、帰ってこられなくなる」
Aは言った。「東京タワーが12時に消えるってこと知っててよかった。知識は身を助くね」


その夜、いつものようにTwitterをしていて、1つのツイートが目に留まった。

 これは私のサークル友達のツイートである。これを見て、私には思い出すツイートがあった。

私ははっと気が付いた。世間に潜む妖怪はこいつだけじゃない。他にもいるのだ。特にキャバクラなんて、妖怪たちの伏魔殿とでもいうべき場所ではないか。
キャバ嬢が客の話を聞かないのは自衛のためだ。仮に客の話を聞いているキャバ嬢がいたとしたら、彼女たちは既に異界へと連れ去られてしまっているのだろう。だから、客の話を聞かないキャバ嬢だけが、"人間"としてキャバクラに留まることをできているのだ。

異界は存在する。仮に身の回りで妖怪に遭遇したとして、決して興味本位でまじまじと見つめてはならない。あなたが深淵を覗くとき、深淵もあなたを覗き返しているのだから。


(*1)他にもたくさんエピソードを聞いた気がするが、あまり思い出したくない。
(*2)Aは別に太っていない。
(*3)この話を聞いた私は、「へー。たぬきってイヌ科なんや!」と相槌を打った。それ以外に発言しようがなかったからである。
(*4)以前にBも別の女性に対して似たようなことをしていたらしい。私は、一目散に逃げたという部分を最初に聞いた。そのときは、「引剥をする羅生門の下人かよ」と茶化せるだけの余裕がまだあった。

2020年8月30日日曜日

安倍首相の退陣に寄せて

2012年末以来日本の首相を務めて来た安倍氏が、持病である潰瘍性大腸炎の再発を理由に辞意を表明した。潰瘍性大腸炎は難病であると聞く。安倍氏も首相である前に一人の人間であり、その政治的影響力をもってしても病の前には無力である。持病が悪化したことに関しては気の毒に思うし、一個人として、まずは一言「お大事に」と言いたい。

一方で、病人を労ることと、政治家としての仕事を批判的に評価することは全く別の問題である。各政策の良し悪しは抜きにしても(*1)、7年半に渡る安倍氏の政権運営は不誠実との謗りを免れ得ないものだったと私は思う。
第一に、森友・加計学園問題、「桜を見る会」、IR汚職事件など、様々な疑惑が発生した。これらの疑惑に安倍氏がどこまで直接の関与をしていたかは不明であるが、透明性に著しく欠けていたことは確かだろう。
第二に、質問への回答になっていない答弁や、論点をずらすような答弁が目立った(*2)。いわゆる「ご飯論法」として揶揄される、屁理屈めいた表現を多用することで国会に誤解と混乱を生じさせ、問題の真相解明を遠のかせた。
第三に、森友学園問題に関して公文書改竄が行われていたことが発覚した。麻生氏は財務相として官僚の仕事を統括する立場にありながら、事件の責任は全て官僚側にあるかのような発言をするに終始し、再発防止策を示すこともなかった。2018年3月には文書改竄を強要されたとして近畿財務局の職員が自殺する事態にまでなったが、政府が真相解明に協力的な姿勢を取っていれば展開は全く変わっていたのではないだろうか。

このように、安倍氏の政権運営は問題点の多いものであったが、これらは安倍氏一人の手によって為されたわけではない。もし国民が早い段階で安倍氏の手法にもっと批判的な目を向けていたとしたら、安倍氏が襟を正して職務に向かったにせよ、あるいは安倍氏がもっと早く退陣を迫られることになったにせよ、どちらにせよ安倍氏がここまで不誠実に不誠実を上塗りすることはなかったはずだ。要は、国民が彼の不誠実な態度を認めたのだ。国民が「それで構わない」と言ったのだ。安倍氏が首相の座についていた7年半の間、内閣支持率が長期的に低迷することはなかった。選挙のたびに自民党は勝った。安倍氏は、選挙のたびに「自分は信任されている」と考えたことだろう。
安倍氏は明確なルール違反を犯したわけではない。多数決を重視する強権的な国会運営は「国会軽視」だとの批判を招いたが、安倍氏はルールの枠内で最大限自らの権力を行使したに過ぎない。はぐらかすような答弁も、「忖度」を利用した公文書書き換えも、それをしたからといって直ちに首相を辞めねばならないという性質のものではない。これらは、国民が選挙や世論によって態度を表明せねばならない問題だ。つまり我々日本国民は、選挙や世論を通じて不誠実が横行する政権運営を暗黙のうちに認めてしまったわけである。

どうしてこのようなことになってしまったのだろうか。その背景として、国民の間に政治的無関心が広まったことを指摘したい。事実、ここ20年ほどの衆議院議員選挙の投票率のデータ(*3)を見ると、2009年に70%近い値を記録したのをピークに、平成29年の選挙では50%強にまで低下している。
2009年の衆議院選挙とは、民主党への政権交代が起こった選挙である。大きな期待の元で華々しく登場した民主党政権は、大きな失望とともに退場した。とりわけ、その最初期において、普天間基地移設問題に関する鳩山氏の方針が国内外に大きな混乱を招いたことは否定しがたい。鳩山政権を前にして、国民の多くは「これなら前の方がマシだった」と感じたはずだ。その証拠に、2012年の衆院選で民主党は大きく議席を減らした。求心力を失った民主党は迷走し、今でも離合集散を繰り返している。野党は弱体化し、与党への圧力を失った。それは、安倍氏が強権を振るう上で最適な環境であった。
「選挙に行けば政治が変わる、政権が変われば政治が良くなる」という希望が現実のものとならなかったことは、国民に「選挙に行っても何も良くならない、誰を選んでも目クソ鼻クソ」という絶望感をもたらした。政治的無関心は、その絶望を土壌にして育ってきた。しかし、いくら政治に絶望を感じていたからといって、政府へのチェックを怠っていい言い訳にはならない。メディアの報道姿勢を批判しても意味がない(*4)。政府を監視するのは国民しかいない。
世論調査では、安倍内閣を支持する理由として「他に適当な人がいない」という消極的な回答が目立った。確かに自民党内では安倍一強とされ、その他の野党も弱かった。だが、本当に適当な人はいなかったのだろうか。自民党内で安倍氏の政権運営を批判し続けた石破氏が大きな勢力を持つに至らなかったのも、「ポスト安倍」の座を伺い続けた岸田氏がついぞ総裁選に出馬しなかったのも、内閣支持率が高い値で安定し続けていたからだ。そう考えれば、「安倍一強」は安倍氏を支持する理由にならないことが分かるだろう。「安倍一強」は国民自身が作り出した幻想だ。
我々日本国民は、自民党内の他の政治家や、他党の党首たちの主張を慎重に検討した上で誰が首相にふさわしいか一度立ち止まって考える必要があった。もちろん、そうした上でなお安倍氏を選ぶというのなら何ら問題はない。だが、そのような人が一体どれくらいいたのだろうか。
政治家の言動を厳しくチェックし、優れた者には相応の高い評価を与えるのだという姿勢が伝われば、野党も安倍氏の退陣に拘って無意味な迷走を繰り返すのではなく、中身のある政策を提案することに腐心したに違いない。それは野党の強化につながり、同じ安倍氏の政権であったとしても、より引き締まった気持ちで彼を仕事に向かわせただろう。
ところが現実はそうはならなかった。国民は、野党に進むべき道を示すことができなかった。政治に対する国民の無関心が、安倍氏を堕落へと誘ってしまった。

「何か問題が起きたとき、真摯に謝罪するよりもはぐらかしたり開き直ったりした方が有利」というのは、何も政治だけに限った現象ではない。過ちを犯した人が過ちを認め謝罪したことにより、「好きなだけ叩いてもいいサンドバッグ」と化して余計に炎上するという現象は、SNSなどできっと見たことがあるだろう。だが、孔子も言っているように、「過而不改、是謂過矣」なのである。安倍氏が直接疑惑に関わっていたかどうかは、実は大きな問題ではない。疑惑が表面化した際に、安倍氏が不誠実な態度を取り続けたことの方が余程大きな問題である。
安倍氏は首相を辞める。もしかすると、次の首相はもっと良い政治をするかもしれない。だが、仮にそうだとして、その善政が長く続くことはないだろう。政治家たちは、安倍氏の政権運営を間近で見て、「むしろ不誠実な方が選挙に強い」と学んでしまった。
政治家は、選挙に勝って初めて政治家となる。政界にひとりでに善人が現れて、ひとりでに善政をすることは有り得ない。たとえ首相が変わっても、あるいはたとえ与党が変わったとしても、抜本的改善など望めない。国民一人一人の意識が変わらない限り、不透明な政治は何度でも繰り返され、何度でも我々の前に現れる。

安倍氏は首相職の連続在職日数最長記録を更新した。戦後政治の大きな節目となる今こそ、主権者たる我々自らが己の政治的責任を問い直すべき時である。

(*1)安倍氏の政策の中には、賛否両論あるものもあった。特に、集団的自衛権や特定秘密保護法案の是非は選挙で大きな争点となった。これらの中には私の考えと異なるものも含まれていたのだが、ここではそのことは問題にしない。賛成派には賛成派の言い分があるのであり、この記事で論じる安倍政権の問題点と比べれば些細なことだからだ。
(*2)例えば、「桜を見る会」に誰を招待するのかに関与したのかと尋ねられた際、安倍氏は「招待者の「取りまとめ」には関わっていない」という旨の回答をした。だが、「後援会関係者を幅広く募っていた」ことは後に安倍氏自身認めることとなった。
(*3)総務省「国政選挙の年代別投票率の推移について」
(*4)マスメディアも商売であり、視聴率や部数が稼げるニュースを我々の前に提示しているだけのことだ。仮にマスメディアの問題だとしても、それは我々受け手側のメディアリテラシーの問題である。

2020年8月25日火曜日

リングフィットアドベンチャー インプレッション

筋肉がなくひょろひょろの肉体をどうにかしようと思い始めて5年ほど経った。その間、腕立て伏せを始めたことは一度や二度のことではない。腕立て伏せを二日でやめたことも一度や二度のことではない。
トレーニングを続けるのは難しい。トレーニングはきついし、単調で、それ自体が取り立てて面白いものでもないからだ。そのあたりのモチベーションをうまく維持してくれるゲームが、Switchで発売された「リングフィットアドベンチャー」だ。本作は昨年秋の発売後ロングヒットし、発売から一年が経とうとしているにも関わらず未だに品薄が続いているのだが、五月ごろたまたま公式オンラインストアで見かけて運よく購入できたのだ。これが思った以上に面白く、今も継続できている。今回は本作の優れているところを紹介しよう。

・アドベンチャーモードによるトレーニングの動機付け
リングフィットアドベンチャーは、一言でいえば「トレーニングによって敵を攻撃してストーリーを進めていくゲーム」である。トレーニングを重ねることによってストーリーが展開され、様々なアイテムやお金が手に入り、主人公の能力も上がっていく。ストーリーが格別面白いわけではないし、ゲームとしての戦略性も高くはないが、トレーニングをすればするほど経験値がたまりレベルが上がっていくのは黙々と一人でトレーニングをするのより達成感があって遥かに楽しい。

・豊富かつ良質なトレーニング
トレーニングメニューは40種類以上収録されているそうだ。いずれも体の動きを検知して成功/失敗を判定してくれるようになっている。判定はしっかりしていて、よく作り込まれていると思う。また、運動負荷は30段階で選べる。23にしているが、私にとっては10分で汗だくになるくらいにキツい。幅広い層の人が遊べるように工夫されていると思う。
トレーニングは最初から全てを選べるわけではなく、ゲームを進めると少しずつ解禁されていく。これもモチベーションの維持に役立っている。

・回数の記録/運動強度のコントロール
収録されているものの中には、プランクやスクワットなど、このゲームを買わなくても一人でできそうなものも含まれている。それならテレビでも見ながら一人でスクワットした方がいいのではないかと思っていたが、それは違った。
まず、どのトレーニングを何回行ったかを自動で記録してくれるのが大きい。数字が蓄積されていくのが見られると満足感が違う。また、運動の強度を一定にコントロールしてくれる役割もある。スクワットならば足の角度や曲げた時間を測ってくれて、それで成功/失敗を判定してくれるのだ。運動負荷を高めれば長時間曲げさせられるようになる。つまり、同じ運動負荷のスクワットを楽にできるようになったなら、それは筋肉がついたということを意味しているのだ。このように、リングフィットアドベンチャーには自分の成長が実感しやすくしてくれる効果もある。

・爽快感のある演出
私がリングフィットアドベンチャーで最も褒めたいと思うのは演出である。コースの中での移動はジョギングで行うのだが、早く足を動かすと風を切るようなエフェクトが追加され、周囲の風景も草原から川を渡って沼地になるという具合にダイナミックに移り変わっていく。この演出はスピード感があり、車がうるさく変わりばえしない家の近くの道を私の遅い足でちんたら走っているのよりも爽快感がある。
トレーニングの際の効果音も素晴らしい。足を曲げ続けたあと伸ばすというスクワットを例にとると、足を曲げ続けている間はグーッとためるような音が鳴り、足を伸ばすとジャキンと小気味のいい攻撃SEが鳴る。これが自分の感覚と見事に呼応していて、トレーニングしていて心地いいのだ。そもそもトレーニング自体キツい中に幾ばくかの爽快感があるものだが、この演出はその快感を3割増しにしてくれていると思う。

このように、「リングフィットアドベンチャー」は単純にトレーニングをさせるだけでなく、しっかりとゲームである意味を持った作品であった。品薄で手に入れるのが難しいのが数少ない難点だが、店頭で見かけたなら是非購入をおすすめしたい良作である。

2020年7月29日水曜日

 先日R氏(*1)の祖父が亡くなり、葬儀のためR氏は数日間鹿児島に滞在することになった。R氏は昨日東京の自宅に着いたのだが、明日仕事があるのに鹿児島訛りが抜けないという。そんなR氏と以下のようなやりとりをした(*2)。


R「明日鹿児島弁残っていたらどうしよう。職場で笑われてしまう」
私「鹿児島弁キャラになればいいのでは。君は焼酎よく飲むし、その上鹿児島弁と来れば萌えキャラになれる」
R「キャラが強すぎるよ。恥ずかしい」
私「面白いから大丈夫。芸人は恥ずかしいことしてナンボ」
R「芸人じゃないって」
私「日本語で喋るから鹿児島弁が出るんじゃない。英語で喋ろう」
R「Good morning! ......って、余計おかしい」
私「筆談とか」
R「「先日は忌引でお休みを頂き、大変ご迷惑をおかけしました。鹿児島弁が抜けないので、失礼になるかと思い、本日は筆談にて会話させて頂きます」......って、そっちの方が失礼だよ」
私「そうやってツッコんでもらえるといいね」
R「あ、びっくりしたら鹿児島弁出ないかも。地は標準語だから」
私「「うわっ!......お、おはようございます」」
R「失礼すぎる」
私「鹿児島弁のままでいいよ。みんな標準語に飽きてる」
R「鹿児島弁も飽きられない?」
私「飽きない飽きない。飽きない美味しさ」
R「コンソメパンチ」
私「そうそう、コンソメパンチだよ。ほら、今はダイバーシティの時代だから。職場のダイバーシティを向上させていこう。ポリティカル・コレクトネスの観点からも、鹿児島弁のままの方がいい」
R「そっちの方が面白いからってまた適当言ってる......。人をブログのネタにしか思ってない」
私「俺適当言うのだけは得意なんだよね」
R「知ってるよ。最初から知ってる。君を一言で言えば、「物は言いよう」だよ」

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R「清め塩が頭から落ちてきて、口に入ったらおなか痛くなった。マジで怖いんだけど何あれ」
私「塩に幽霊の一種だと思われてるんじゃない?逆にお前まだ死んでなかったの!?って塩も驚いてる」
R「なる.......ほど.......!?消滅してしまうな.......」
R「これがホントの」
R「塩対応」
私「うまい!」

大切な家族を亡くした直後でどうだろうかと思ったものの、ブログのネタにしていいかと尋ねたところ快諾してもらえたので、こうして記事に書くことにした。元気そうで、普段のようにやりとりができてよかったと思った。

(*1)Twitterのフォロワーで、このブログのファンでもある。Twitterアカウントは非公開(鍵アカ)である。
(*2)ブログの記事にするにあたり、本来のやりとりとは口調などが少し変わっている。

2020年7月23日木曜日

ラブコメが見られない

最近ラブコメを体が受け付けず、全然ラブコメを見ることができない。見ていても主人公が羨ましく感じ、腹が立って視聴を中断してしまう。そこで、見ていても羨ましさが全くないラブコメの筋書きを考えてみることにした。
好きな大学生の先輩がいるが、自分に自信がなく言い出せない地味な少女Gがいた。ある日、Gは同級生の少年Bから告白される。Gは悩むが、結局OKすることにした。
BはGのことをしきりに可愛いと言って褒めた。GはBと一緒に時間を過ごすうちに、段々自分に自信がついてきた。メガネだったのがコンタクトになり、ファッションも垢抜けた。食事に気を遣うようになり、肌もきれいになった。化粧も覚えた。
そうして自信がつくにつれ、Bでは自分と釣り合わないと考えるようになってきた。やはり自分の相手は先輩でないと。Gは先輩に告白し、OKの返事を受けてBを振った。Bは別れたくないと言ったが、LINEをブロックし、ストーカーだとの悪評を流して無視することにした。
無実の罪を着せられて校内で孤立していくBをよそに、Gは先輩と一緒に楽しい時間を過ごした。ファーストキスも先輩に捧げた。ところが、先輩には大学に本命の彼女がいたのであった。自分は遊びに過ぎなかったのか。それなら振ってくれさえしたらBを振ることなんてなかったのに。Gは先輩と大喧嘩して家路に着いた。もうすぐ家に着くというそのとき、自宅すぐ近くの公園が何やら騒がしいことに気が付いた。そちらに目をやったその瞬間、Gは悲鳴を上げた。
そこには公園の大木で首を吊っているBの死体がぶら下がっていた。
こういうアニメなら、私でも笑って見られそうな気がする。

2020年7月21日火曜日

人助けについて

ベビーカーを見るたびに思い出すことがある。ある日、赤ちゃんの母親が街でベビーカーを持って1人で大変そうに階段を上っているのを見かけたのだが、約束に遅れそうだったのか何だったのか、とにかく急いでいるからといってそのまま横を通ってしまったのだ。外で困っている人を見たら極力助けるようにしている(*1)が、このときばかりは見捨ててしまった。以来、自分のこの行いは果たして正当化されうるのだろうかとしばしば考えるのである。
障害のある方やお年寄りなどを助けるのは確かにちょっとした善行ではあるだろうが、しかしそれほど美談というわけでもない。誰であっても初めから困ることのない社会こそが理想であって、我々はそこを目指さないといけないと思うのだ。現実的にはそうした理想の実現は困難であり、障害のある方などに不便を強いてしまっているわけである。例えば、仮に街の各所にエレベーターがあれば交通弱者の不便は減らせるだろうが、そうしたものを設置しないことによって税負担が軽減されているという側面はあるだろう。所詮手助けなんて、金を惜しんで不便な社会を作り上げてしまった強者側のせめてもの罪滅ぼし程度のものでしかない。

自分に余裕のない状態では、なかなか他人を助けようという気にはなれない。私はしばしば「幸福な王子」のストーリーを思い出すのだが、この世界には無数の差別や貧困が存在していて、それら全てを解決するのには無限のリソースが必要となる。ここで私はジレンマに直面する。すなわち、持ちうる限りのリソースを極限まで他人に割いて「幸福な王子」となるのか、それとも問題があることを知っていながら、そしてそれを少しでも改善できるであろうリソースを持ちながら、敢えて見殺しにするのかである。
私は結局のところで利己主義者であるから、他人を見捨てることで浮くリソースと、他人を助けることで得られる快感を天秤にかけて、心が傾いた方をとるだけである。その意味で私の"優しさ"は優しさでなく、単なるエゴイズムの産物だ。かつての私は自分の持つ善性を純粋に信じていたが、今やそんなものは信じていない。考えれば考えるほど、自分さえよければそれでいいという自らの冷酷さが浮き彫りになるばかりである。
以前、性犯罪の被害にあったという人から、「本を読んで、女性の人権等についてもっと勉強し、もっと考えを深めてほしい」「よりよい社会を作るため、できることをやっていこう」という趣旨のことを言われた(*2)。しかしながら、それをする時間が惜しいこともあって、薦められた本は未だに一冊も読んでいないし、何かできそうなことを新たに始めたということもない。「これ以上自分の時間などを割いて何かする必要があるのだろうか。それは政治家の仕事だろう」ともしばしば思う。だが、政治家を選ぶのは結局我々国民である以上、政治家に「仕事」をしてもらうためには我々が賢くなるしかない。自らの怠惰と吝嗇の正当化が単なる欺瞞に過ぎないことをよく自覚しながらも、私は尚欺瞞の内側に篭り続けているのだ。

(*1)とはいえ、あまり街に出ないこともあって実際に人助けをしたことは人生に数度しかない。
(*2)一応、私の人権意識が普通より著しく低いと非難する意味ではないだろう。

2020年7月17日金曜日

エピソード集

私にまつわるエピソードを改めてまとめて、打線を組んでみた。
1 左 キャンパスにゴーヤを植えたが撤去された
2 遊 母親にゲイだと勘違いされた
3 中 卒研発表会で後輩に質問したらTwitterアカウントをブロックされた
4 三 マッチングアプリを始めたら自己紹介文をTwitterで晒された
5 一 買っていたサプリに違法成分が混入し出荷停止措置
6 右 国語教師のフォロワーをけしかけてブログ記事で授業を作らせた
7 二 自作の絵「花」をスマホカバーにして精神状態を心配された
8 捕「先生の本棚」に自作の問題集を設置
9 投 クリスマスプレゼントにハタハタをおねだり
・キャンパスにゴーヤを植えたが撤去された
ゴーヤの苗を7本買ってきてキャンパスの敷地に勝手に植えていたが、全て引っこ抜かれた。cf. 「頓挫」

・母親にゲイだと勘違いされた
「オカマはやめてよ」と言う母親に「誰かが好きという気持ちは、その定義上、他の人にやめろと言われてやめられるものではないはずだ。よってその発言は意味をなさない」と指摘したところゲイだと勘違いされた。 cf.「読解力の重要性を示す1つの事例」

・卒研発表会で後輩に質問したらTwitterアカウントをブロックされた
学科の後輩に「先輩、卒研発表会には来ないでくださいね」と釘を刺されていたが、それを無視して当日会場に行った。質問タイムで真っ先に手を挙げて今後の展望について質問したところ、後輩はうまく答えられず困ってしまった。翌日Twitterを見たらアカウントをブロックされていた。

・マッチングアプリを始めたら即座に自己紹介文をTwitterで晒された
マッチングアプリを始めて数日、いつものようにTwitterをしていると、私の自己紹介文のスクリーンショットがリツイートされてタイムラインに流れてきた。私とマッチしていた人による仕業だった。その人はこちらからお断りすることにした。cf.「マッチングアプリ 」

・買っていたサプリメントに大麻の違法成分が混入し出荷停止措置
エリクシノール社からCBDオイルを購入して一ヶ月ほど経った頃、違法成分「THC」が混入した疑惑で当該の商品が出荷停止措置となってしまった。翌年、実際にTHCが入っていたのが確認されたと厚労省から報告が出ていた。現在は出荷が再開されている。

・国語教師のフォロワーをけしかけてブログ記事で授業を作らせた
Twitterのフォロワーに中高で国語の先生をやっている人がいる。その人が酒に酔って判断力が鈍っていたのをいいことに、「無KのKの記事で授業を作る」と約束させた。「なんでこんなことやっているんだろう」と言いながらもちゃんと授業案を考えてくれて、パワポで資料を作って私の前で授業してみせてくれた。題材は「だから私は「おはよう」という」だった。ちょくちょく挟まれるネタを除けば案外文章としてちゃんとした構成になっているという話だった。

・自作の絵「花」をスマホカバーにして精神状態を心配された
3000円ほど払って「花」をスマホカバーにしてもらった。それを見た母親の感想は「なにこれ?あんた大丈夫?」だった。

・「先生の本棚」に自作の問題集を設置
小学校6年生の頃、教室の後ろに先生おすすめの本が並べられたコーナー「先生の本棚」があったのだが、そこにコピー用紙を冊子状にして自分で作った問題集を勝手に置いていた。cf.「クイズパズル迷路本」

・クリスマスプレゼントにハタハタをおねだり
小学校中学年の頃、クリスマスプレゼントとしてハタハタを欲しがった私は、サンタさんへのお手紙に「ハタハタ」と書いた。その年のクリスマスの日、起きてみるとクリスマスツリーの下に発泡スチロールの箱が置いてあり、中にハタハタが入っていた。スチロール箱には「渡辺水産」と書いてあった。渡辺水産とは、祖父が懇意にしていた水産加工業者だった。私はそのときサンタさんの正体が家族であることを悟った。

2020年7月16日木曜日

疲れが取れる薬やサプリ

上のツイートにあるように、趣味も兼ねて疲れを取ってやる気を出してくれそうな薬やサプリを色々買って試してみた。一部をピックアップして紹介しよう。薬の名称の後には、10段階評価でお気に入り度を付けておいた。

・葛根湯加川芎辛夷: 4
鼻炎の薬。葛根湯には麻黄が入っており、オーバードースすればキマるかもしれないが定かではない。効いているのかいないのかよくわからないものの、麻黄を摂取していると思うと気分がいい。

・栄養ドリンク: 3
普通の栄養ドリンク。タウリンが入っているらしい。アリナミンの方が効く気がする。

・neoday: 5
睡眠改善薬というより、ノンカフェの抗ヒスタミン剤として使っている。大して眠くならない。

・L-チロシン: ?
いわゆるスマートドラッグ。集中力を高めるという噂がある。買ったはいいが、海外輸入のサプリを飲むのは怖くてほとんど飲んでいない。

・ビタミンC: 8
私は疲れると鼻血が出やすくなるのだが、そういう鼻粘膜が弱る系の疲労によく効く。

・アリナミン: 8
ビタミン剤。体のだるさに効いている気がする。溶けた後胃の中で変な臭いを発する。

・チョコラbb: 8
ビタミン剤。気分でアリナミンを飲んだりこっちを飲んだりしている。効き目の違いはよくわからない。

・ヘパリーゼ: 2
内容量のわりに高い。味はうまい。

・マカ: 7
カフェインを多く含むガラナが入っているおかげで、飲んだらすぐ元気になれる。カプセル自体も何だかやる気が出そうな香りがする。飲み過ぎるとキマってしまって動悸が止まらなくなるので注意。

・イミダゾールペプチド: 6
味はかなりうまい。舐めていると凝縮された旨味を感じる。旨味飴である。

・セントジョーンズワート: 5
「ハッピーハーブで前向きに!」というキャッチコピーがそそるが、効果は微妙。

 ・CBDオイル: 7
飲むと確かに精神的疲労が軽減されるような感じはあるが、如何せん高い。飲み過ぎるとちょっとキマったようになって、逆に心が落ち着かなくなるので注意。催眠音声と相性がいい。

・パンセダン: 9
ハーブで作られた鎮静薬。飲むとストレスが軽減されて心が落ち着く。CBDオイルより遥かにコスパが良い。効き目もほどよくマイルドで、キマる心配がなく使いやすい。

・養命酒: 7
体を温める薬。冬場寝る前に飲むと、末端の冷えによく効く。甘さの中にほろ苦さがあって結構美味しい。温めた牛乳で割るともっと美味しい。一回あたりの摂取量は少ないので別に酔わない。
実はインヨウカクが入っているのだが、だからといってエッチな気分になるということは特になかった。媚薬にはならなそうである。

・ロキソニン: 9
頭痛に絶大な効果を発揮する。カフェインが入っていないので、頭痛で眠れないときに使ってもよく眠れる。普段使いするものではないが、一箱あると安心感が違う。

・乳酸菌製剤(ビオフェルミンなど): 10
生命線。
便秘に効果覿面であり、腹部膨満感を解消し集中力を底上げしてくれる。大便が肛門ごしよくつるりと出たときの爽快感は格別で、ストレス解消にもなる。ほのかな甘味があって味もうまい。ヨーグルトを毎日食べるより遥かに安く、そして遥かに効果が高い。善玉菌で腸内環境を改善する薬なので、毎日飲んでも問題にならない。けなすべき点がない最高の薬。

色々薬を試してみたが、一番疲労に効果を感じたのは薬ではなく黒酢ドリンクである。効き目もコスパも素晴らしい。お気に入り度9である。

2020年7月13日月曜日

ライプニッツの公式で円周率が3.05より大きいことを証明する

円周率が3.05より大きいことを証明せよ。
最も有名な数学の入試問題の1つ(*1)、2003年東大入試での問題である。内接8角形を考えて幾何的に考察していけば解けるらしい。ただ、それが入試本番で思いつくかというのが問題だ。そこにはセンスとひらめきが要求されるといえるだろう。
だが今は違う。大学の教養過程で微積分学をやった私は、もっと愚直なやり方を知っている。

ライプニッツの公式だ。1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + 1/9 - 1/11 + …… と交替級数の計算をやっていくとπ/4に収束するという、アレである。導出(*2)は簡単で、arctanをテイラー展開して両辺に1を代入すればいい。
そういうわけで、眠れぬ夜を過ごしている今日、ふと思い立って何項目まで計算すれば π>3.05 がいえるのか調べてみた。とはいっても手計算なんて面倒なことはしない。文明の利器を使ってやろう。簡単にプログラムを書いて実行すればいいだけだ。
結果はすぐに出た。12項目の1/23までやればいいとのことだ。12項目まで計算した結果は1023461776/334639305となる。とても手計算ではやってられまい。たとえこの解法を思いついたとしても、実用性は低そうである。

とはいえ、センスもひらめきもない凡夫たる私であっても、教養数学の知識とパソコンさえあれば簡単に解けてしまうというのは喜ばしいことだともいえる。これからも文明の利器に依存して生きていこう。

(*1)私は、加法定理の証明と「tan1°は有理数か。」と合わせて勝手に三大有名問題と呼んでいる。
(*2)真面目に証明しようとするとarctanのテイラー展開の証明でややこしい感じになるが、適当に認めてしまって気にしない。

2020年7月2日木曜日

Whoever smelt it, dealt it

気まぐれに、言語設定を英語に変えて「あつまれ どうぶつの森」をプレイしてみた。ゲームプレイに大きな変化はないのだが、面白かったのが虫や魚を捕まえたときのテキストである。

例えば、Paper kite butterfly(オオゴマダラ)を捕まえたときは
Do I read it, fly it, or spread it on toast?
と表示される。初めはなんのことだかわからなかったが、なるほど、read itが紙、fly itが凧、spread it on toastがバターに対応しているということか。

Bluegill(ブルーギル) ならこうだ。
Do you think it calls me "pinklung"?
gillは魚のえらである。 肺(lung)のピンク色が魚に見えているわけないだろうと思わず脳内でツッコんでしまった。魚と違って、我々は呼吸器を剥き出しにはしないのだ。

Pond smelt(ワカサギ)はこうだった。
Whoever smelt it, dealt it!
全く意味がわからないので調べてみた。オナラの臭いがしたときだけ使える諺で、こうやって使うものらしい。
A:「なんか臭くないか?誰かオナラしただろ」
B:「Whoever smelt it, dealt it!
敢えて日本語訳するなら、「嗅いだ奴がこいた奴」、つまり「第一発見者が犯人の法則」というところか。しばしば真犯人が責任を転嫁するために使うとのことだ。

日本語版とは全く違うテキストになっていて、英語ならではのウィットに富んだ言葉遊びが面白かった。どうぶつの森にはこういう楽しみ方もあるということに気付かせてくれた体験だった。

2020年6月29日月曜日

VTuber「まどろみもあ」の催眠音声を紹介する(全年齢対象)

昨日、「まどろみもあ」というVTuberによる次の動画を視聴した。

【催眠音声ASMR】あっちの世界にイけ♡とろけるお耳囁きで心地よい眠りを whispering / hypnosis【ヒプノモア#1】

少々いかがわしさを感じるタイトルであるが、性描写のない全年齢向けの催眠音声である。今まで催眠音声を聞いたことがない人をメインターゲットに、体をリラックスさせて心を元気にする催眠が展開される。これが結構良かったので、この記事で軽く紹介しよう。

まどろみもあは甘い萌え声のVTuberだ。催眠誘導に入る前に、彼女が催眠に入るための心構えについて説明してくれる。催眠というと、マインドコントロールのように術師の意のままに操られるだとか、あるいはあたかも薬物でキマったようになるといった怖いイメージがあるかもしれないが、実際はそれほどヤバいものではない。催眠にかかるためには、怖がったり、期待しすぎたりせず、ごく自然にしていることが大切である。彼女の説明は、そうした催眠への心理的障害を取り除く上で役に立つ。
催眠そのものについての説明に続いて、深呼吸と分割弛緩法による催眠誘導が行われる。この際、左から声がしたり、右から声がしたりして、彼女が位置どりを細かく変えながら意識を効果的に揺さぶってくれる。これがあるのとないのとでは催眠への入りやすさが違ってくる。
また、彼女は時折耳元でささやくように声をかけてくれる。ASMRのザワザワとした感覚が催眠で増幅されて、耳に心地よく感じられた。
心に活力を与えてくれるような暗示を入れつつ、催眠を解除して動画は終了となる。

この催眠音声の特長として、
  • 可愛らしいアニメ声
  • 催眠音声初心者への徹底的な配慮
  • 声の場所を細かく変えることで催眠を深める手法
  • ささやき声によるASMR
といった要素が挙げられる。無料の催眠音声は数多くあるが、こういったリッチな作りのものは珍しい。特に全年齢向けの作品となると、私にはパッと思い当たる作品がない(*1)。催眠に興味はあるものの、なかなか催眠に入ることができない、まずは無料のものから聴いてみたいという人は、本作を試してみてはいかがだろうか。

(*1)R-18でよければ、(ASMR要素は薄いが)サイト「Listenable pharmacy」にアップロードされている作品群がある。ここではリンクは貼らない。興味のある18歳以上の人は、キーワード「Listenable pharmacy」で各自検索をかけてほしい。

2020年6月26日金曜日

[R-18] レビュー: 催眠音声「耳奥触手姦」

注意: 性的な記述が含まれるため、18歳未満の方によるこの記事へのアクセスは禁止します。

2020年5月11日月曜日

スマブラSPが面白い

今更な話であるし、私が言わなくてもみんなが言っていることではあるが、スマブラSPが面白い。スマブラを買うのはWiiのX以来なのだが、当時と比べると遥かに進化していて驚嘆させられる。
遊んで感じたことをつらつらと書いてみよう。

・効果音や演出の仕方が絶妙で、爽快感が半端ない。吹っ飛ばす時の手応え感が強く、とにかく遊んでいて気持ちいい。

・これだけキャラ数がありながら、しっかりゲームバランスが取れている。上手い人にとっては色々あるのかもしれないが、私レベルではよくわからない。上手い人が言う「このキャラが強い」も人によってバラバラなので、自分でプレイするだけでなく対戦動画を見ていても変化に富んでいてとても面白い。

・リンクとガノンドロフはより格好よく、ゼルダ姫はものすごく可愛くなったのが嬉しい。

・全体的に、シリアスなキャラはより格好いいモーションに、コミカルなキャラはより可愛かったりとぼけていたりしているモーションになっていて、忙しないゲームでありながら作り込みに見惚れてしまう。これだけファイターがありながら、それぞれキャラが立っている。戦闘スタイルもそのキャラらしさを感じられていい。

・リドリーが参戦できるとは思わなかった。衝撃だった。

・キングクルールも無理だと思っていたから嬉しかった。

・クラウドがいるのが嬉しい。技が格好良くて惚れ惚れする。爽快感も抜群で感動する。

・グラフィックが綺麗。

・Mr. ゲーム&ウォッチは存在するというだけで最高。Mr. ゲーム&ウォッチファンが日本に何人いるのかわからないが、そんなマイノリティに配慮してくれるのが素晴らしい。

・キャラの立ち絵がハイセンス。そのキャラらしさが存分に出ているものばかりだと思う。

・音楽も筆舌に尽くしがたい。アホみたいに多いし。

これだけの要素を詰め込みながら、大きなバグもゲーム性を壊してしまう欠陥もなく一本のゲームとしてまとめあげられていることは驚異でしかない。全てが掛け算で組み合わさっていくので、遊ぶたびに違う面白さが感じられ、何百時間と遊んでいるが全然飽きない。遊び尽くせないほど豪華で底知れないゲームが手元にあることに感動である。

2020年5月8日金曜日

下劣な発言が炎上する社会

先日、お笑い芸人・ナイティナイン岡村の発言が炎上するという出来事があった。

岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべき【追記あり】

岡村氏の発言は、「COVID-19が流行ることにより、困窮した美人が性風俗業で働くようになることに期待している」という趣旨のものだ。これがいかに下劣で異常な発言であるかは上記の記事で述べられているが、私がここで注目したいのは、彼の発言が下劣で異常なものであるがゆえに、えげつないブラックジョークとして捉えるとかなり面白いという点である。

私は時々ブラックジョークを言うことがある。たとえば、授業の単位を落とした友達に対して「おめでとう!!」と声をかけるといったものだ。これは人の神経をあからさまに逆撫でする発言であり、「このクズめ」とツッコまれることによってボケとして完成するわけである。
生きていく上では、つらいことがたくさんある。もし、つらい思いをしているのが自分一人であれば、そんなのやっていけないだろう。だから、他にも誰か苦しんでいてほしいと我々は心のどこかで思ってしまう。この病が悪化していけば、他人が不幸になるところを見たい、不幸な他人を嘲笑いたい、不幸な目に遭う他人を安全地帯から観察して下には下がいると安心したい、という具合に進行していく。他人の不幸は快楽なのだ。
だが、他人の不幸を面白がることは完全に倫理に反しており、下劣極まりないことである。だから普通の人は「他人の不幸は快楽だ」というホンネを表に出さない。ホンネを出すのは異常なことだ。そして異常なことは面白い。下劣で不謹慎なことを軽い口ぶりでさらりと言う、この異常性を笑うのがブラックジョークの基本形だと私は思う。

岡村発言はブラックジョークとしてよくできている。「美人と性交渉したい」という、男性ならばほとんど誰にでもあるような動物的欲求をくすぐることで、タブーを破る快楽に性というスパイスを加えているところがまず素晴らしい。男性の性欲のどうしようもない気持ち悪さが滲み出ていてポイントが高い。また、発言の異常度も極めてハイレベルだ。私は、「美人の女性が性風俗で働くことを余儀なくされるだろう」なんて言われるまで思いつきもしなかった。彼が生粋のクズであることを伺わせる、たくましい発想力に感服したものである。
そして、これが搾取という社会問題を題材にした発言であるのも、ボーナスポイントの加算につながった。これは、「女性が搾取されている」という普段あまり直視されない社会問題をあぶり出す発言である。こうした問題に気がついたとき、聖人であれば女性の就労支援などの活動を始めるだろう。しかしながら、多くの人はそうした社会問題に見てみぬふりを決め込んでいる。貧困、差別、環境問題など、現代社会は様々な問題を抱えている。そして、財産を寄付したり、NPOで支援活動を行ったりなど、自分にもやれることはあるにも関わらず、私はそんなことはしていない。それは、自分のことで手一杯だからだ。やるべきことをやれない自分の無力さ、聖人になれない自分の至らなさに対して、私はただそれを嘆き、乾いた笑いを送ることしかできない。岡村発言を読んだときも、私は女性の搾取構造を認識していながらも改善に向けて何もできていない自分自身に対して乾いた笑いがこぼれ出た。この「乾いた笑い」も、ブラックジョークとしての面白さの一部であるといえるだろう。

このように岡村発言は優れたブラックジョークになっているわけであるが、恐ろしいのが、この発言がその下劣さゆえに炎上したという事実である。岡村氏が本心からこう発言したのであれば、炎上も仕方ないのかもしれない。だが、私はより刺激的でパンチの効いたブラックジョークを作るために、自分の下劣さを頻繁に盛る。このSNS時代では、発言の一部が切り取られて拡散されるというのは日常茶飯事である。こうなると、私とていつ炎上してしまうかわからない。
人間はエゴイズムに満ちた醜く下等な生物であり、その醜悪さはかねてより文学の題材にもなってきた。むしろその醜さにこそ人間らしさが詰まっているとの見方もあろう。岡村発言は確かに下劣で唾棄されるべきものであるが、だからといって撤回すべきだとは思わない。もし内輪に向けたブラックジョークでさえ文脈を漂白されて炎上するようになったなら、あらゆるエゴイスティックでどす黒い欲望は全く表に出せなくなる。それは人間をいびつに理想化する、どこか不健全なディストピアではないだろうか。

2020年5月5日火曜日

弱者性

Twitterで、「女性は男性からの性暴力の被害に晒されやすい。つまり女性は弱者である。強者男性と弱者女性の不均衡を是正するためには、何らかのアファーマティブアクションが必要である」といった趣旨の意見を見かけた。だが、この手の議論には注意を要する。
ここで使われている「弱者」という言葉は、「身体障害者は交通弱者であり、配慮されるべきだ」というときの「弱者」とは少々意味が異なっている。そもそも男性が性犯罪等にあいにくいのは、単に男性は力が強いというだけの理由ではない。根底にあるのは、男性の肉体は女性のそれと比べて性的価値が低いという非対称性だ。価値があるから狙われるのであり、そもそも無価値なものは初めから見向きもされないわけである。かくして、「女性は弱者だ」という主張は「いやいや男性こそが弱者といえる」という反論を生み出す。これはどちらも同じコインを表裏から見ているだけのことであって、いくら議論しても話が噛み合うことはない(*1)。

ことジェンダーの問題となると、対象が身近なものだからだろうか、不毛な論争が起こりやすい。しかし、相互理解のもと適切に相手に配慮できるような成熟した市民社会を作り上げるためには、互いにレッテルを貼り合っていたずらに対立を深めるような言説は厳に慎まねばならないはずだ。ジェンダーに限ったことではないが、収穫ある議論を行うためには、対象への深い知識のみならず「議論を意味ある対話として成立させるためにはどうすればいいだろうか」を考えるというメタな視点が欠かせないといえるだろう。

(*1)もちろんできる限り犯罪は防がれるべきであるし、もし犯罪にあってしまっても被害者は救済されるべきである。特に、今の仕組みでは被害者当人が表に立って色々訴えねばならず、二重三重にその人を傷つけてしまっていることだろう。ただ、ここでしているのは、弱者が云々と言い始めると議論が訳のわからない方向に行ってしまい、導かれるべき結論も導かれなくなってしまうという話である。

2020年5月4日月曜日

ツイートの自動生成

私のツイートを学習して自動生成されたツイートが結構面白かった。

これはどう見てもやっている。


一体どんな盆踊りなのか。

麻薬は犯罪だし、やったらダメです。

それ狂気をやり過ごせてへんやろ、もう狂ってもうとる

2020年5月3日日曜日

解説: 時間に依存しないシュレディンガー方程式について

時間に依存しないシュレディンガー方程式についての解説を書きました。ダウンロードしてご利用ください。

2020年4月30日木曜日

違法ケシ

今朝、近所に違法なケシが咲いているとの情報を聞いた。現場に向かってみたところ、確かにアツミゲシが咲いていた。アツミゲシはアヘンの原料になるとされ、法令で栽培が禁じられている種の一つだ。とはいえ高々一本程度では大した量のアヘンにならないらしい。

アツミゲシ

春はポピーの季節である。道端で最もよく見かけるケシは、おそらく次のナガミヒナゲシであろう。こちらは育てても問題ない。

ナガミヒナゲシ

アツミゲシとナガミヒナゲシでは葉の様子が大きく違う。アツミゲシでは太い葉が茎を抱くように生えているのに対し、ナガミヒナゲシではうっすらと白い毛を帯びた細い形の葉が育つ。

ナガミヒナゲシの葉

園芸を趣味としている方もいらっしゃるだろうが、うっかり違法なケシを栽培しないよう今一度注意されたい。

2020年4月19日日曜日

ゆめカレシ

最近、3DSの「わがままファッションガールズモード よくばり宣言!」というゲームをやっている。セレクトショップの店長の女性になって、色々なファッションアイテムを仕入れたり、お客さんにコーディネートを提案したりするゲームである。さて、この記事ではそんなゲームのとあるモードを紹介したい。

「ゆめカレシ」である。

このモードを選ぶと、主人公は自室のベッドで眠り始める。夢に現れるのはモデル体型のスマートな男性。まずは彼をコーディネートすることになる。
ゆめカレシのコーディネート
そうして作り上げた理想の彼と、夢の中で妄想デートを楽しむ。そんなモードが「ゆめカレシ」だ。今回のデート先は海らしい。
ゆめカレシとの妄想デート
なんやかんやと会話して、最後には彼とツーショットを撮って妄想デート終了となる。
ゆめカレシとのツーショット
主人公が経営するセレクトショップには様々なカップルが来店するが、いくらゲームを進めたところで主人公に本当の彼氏ができることはない。主人公にいるのは、夢の中の彼氏だけである。
主人公の行動はプレイヤー次第である。来店したカップルは「これから公園に行こう」などと会話をしているのだが、その会話を盗み聞きした挙句、店をほったらかしてストーカーの如く公園に行き、デート中のカップルに平然と話しかけるプレイをしても構わない。そうしてそのカップルの彼氏さんのファッションを夢の中で再現し、夢の中でデートするのだ。泣いてなどいない。うらやましくなんてない。私には、大事な仕事、大事なお店があるのだから......(*1)。

ちなみに、主人公の髪型を姫カットに、ファッションをコテコテのロリータ系にしてこのモードをやると恐ろしさ倍増なのでおすすめである。

(*1)といいながら、店はバイトに任せっきりにして公園やカフェに行く毎日である。

2020年4月8日水曜日

おすすめの全年齢向け催眠音声

今回の記事は全年齢対象であり、年齢制限は設けない。

催眠音声と聞くと、私がこれまで紹介してきたようなアダルト作品を想像されるかもしれない。しかし、催眠それ自体がいかがわしいものであるかというと、決してそんなことはない。確かに催眠と性的快感は相性が良く、これまで数多くの成人向け催眠音声が作られてきたわけであるが、全年齢向け作品も質の面では全く負けてなどいない。催眠状態というのは音声に集中しながらも深くリラックスした状態であり、性的快感を抜きにしても十二分に心地いいのである。
そういうわけで、この記事では全年齢向け催眠音声をいくつか紹介していこうと思う。いずれも私が実際に聞き、いたく気に入った作品である。

[無料作品]
「安眠誘導」
癒しボイスで寝かしつけてくれる音声である。担当声優のみもりあいのさんは本当に可愛くて素晴らしい声をしており、もうすっかり虜になってしまった。読者の皆さんにも堪能してほしいところである。

「眠れない夜のための安眠音声」
こちらも甘くて可愛い声で寝かしつけてくれる。女の子の優しさが心に染み渡ってきて最高である。

「安眠音声C92」
上記2作と比べると少し大人っぽくて穏やかな声で寝かせてくれる。ささやき声の演出がいい。

[有料作品]
「サイニィコンディショナー」
無料作品枠で紹介した3作は主に男性向けの作品であるが、こちらは性別問わずおすすめできる作品である。催眠状態に誘導した後、白い光で浄化されるイメージを通して心をリフレッシュさせてくれる。

「ムゲントランス」
こちらも男女ともにおすすめできる作品である。催眠の深度をひたすら深めることを目的に、30分に渡る誘導で他の作品では味わえない境地まで落としてくれる。催眠の感覚を掴みたい人にもおすすめだ。

催眠の気持ち良さというのは、喩えていうなら日のあたる暖かい縁側でうとうとしているような感覚である。その癒しを手軽に味わわせてくれるのが全年齢向け催眠音声だ。ストレス解消にもうってつけであると思う。もし興味が湧いたら是非一度試してみてほしい。

自分の恋愛について考える回

恋愛に関して最近頭をめぐっている思考の内容を、とりとめもなく書く。

1.
マッチングアプリに登録したのは、「彼女」のことを想い続けることがいい加減辛くなってきたからだった。周りに異性がいないという環境が、ますます自分の中の絶望感を深めていた。だから、現状のドブ沼から這い上がるためには、まずは異性との接点を増やす必要があった。そのための手段がマッチングアプリだった。第一の目標は、異性と接する中で、自分の中の「彼女」の重みを少しずつ減らしていくことだった。もちろん、首尾よく交際につなげることができれば申し分ない。ただ、交際のための心の準備はできていないままマッチングアプリを始めることにはなってしまったし、今もなお心の準備が完了しているとは言い難い。
連絡先を交換している相手は数人いる。同年代の異性と繋がって、色々な話をするのは実際のところ楽しかった。交際のための素地が自分の中で整っていないことに関しては申し訳なさを覚えるものの、知り合った相手と過ごす時間は確実に私にとって癒しだった。私の試みは、少しずつ功を奏しつつあるように思われる。

2.
後悔するのは避けたい。自分が後悔したくないというのもそうであるし、「彼女」にも後悔はしてほしくない。「彼女」自身が私からの一切を無視することを選んだのだから仕方あるまいという諦念と、このままでは「彼女」は後悔や迷いに苛まれ続けるのではないかという不安が自分の心に同居している。
私はまだ「彼女」のことを諦めることができないでいる。それは、「彼女」の心の中にまだ後悔や迷いが残っているのではないかと思えてならないからだ。もし、「彼女」が私のことをなんとも思っていない、私は全くタイプでない、だから私を振ったのだ、というのであれば、私は潔く諦めるつもりでいる。他に好きな人がいるというのであれば、それを応援するくらいの覚悟はできている。だが、彼女は私に何も教えてはくれなかった。彼女の本心がわからないまま、あれから一年が経とうとしている。私にはそれがたまらなく苦しい。
「(私)のことを恋人として見ることはできない」という言葉は、mayなのかcanなのかで大きく意味が変わってくる。私は、彼女が心のどこかで私のことを好いていたのではないだろうかという希望を捨てきることができていない。だから、振られたと言っても、あたかもずっと保留にされ続けているかのようなもどかしさと苦しさを感じている。
ずっと恋愛沙汰と無縁で生きてきた真面目な性格の「彼女」が、恋愛に慎重になるのは納得できるところである。だからこそ、私を振った後の彼女と、今後の関係について一度きちんと話し合いをしたかった。彼女が私を選ぶのか、あるいは他の誰かを選ぶのか、はたまた誰も選ばないのかは、結局のところ私にとって最重要の問題ではない。「彼女」は、私の初恋の人である以前に、尊敬すべき私の大切な友人である。彼女が迷いなくそれが本心であるというのなら、どんな選択であろうと尊重する。そのとき、彼女が私を選ばなかったとしても、きっと彼女は私を友達にしてくれるはずだ。「私はまだ「彼女」のことを諦めることができないでいる」というのは、「「彼女」と友達になることを諦めていない」という意味だ。
彼女が私を振ることは、彼女が1日で決めたことだ。彼女の中には、早く返事しないといけないという焦りがあったのではなかろうか。そして、「(私)を振ったからには(私)とは友達でいられない」と結論ありきの行動になってしまっているのではなかろうか。別に私は今更いくら傷ついたって構わないし、彼女にはそんな小さなことを気にしてほしくない。本当に私のことが嫌いだというのなら、「ゴキブリ以下の存在。二度と目にしたくない」とはっきり言ってもらっても構わないくらいだ。いや、むしろそう言ってもらえたらどれだけ私にとって救いとなることだろうか。
私は、彼女は自分に初めて告白してきた人なら誰でも振ったのではないかと踏んでいる。彼女が自分自身の内面とじっくりと向き合うことを促し、彼女の迷いを晴らすことは、初めて彼女に告白した男である私が果たさねばならない責務のように思われる。それを果たせていないことが、私の最大の心残りだ。

3.
「恋人」という概念は、一人の人間に役割を詰め込みすぎているように思われる。一緒にお話ししたい、一緒に趣味を楽しみたいという精神的な欲求であったり、手を繋ぎたい、接吻したいという肉体的な欲求であったり、結婚したい、何十年にも渡ってそばにいたいといった将来像であったりが、「恋」というラベルにマスクされる形で一人の生身の人間に押し付けられているのだ。かつては好き合っていた多くのカップルが結果として破綻に陥っているのもむべなるかなである。
恋をするとなんだかその対象が最高の相手のように感じられてくるわけであるが、結局のところそれは自分で自分を騙している欺瞞でしかない。いくら魅力的な異性といっても、生身の人間である以上、ある面で魅力的であっても他の面では魅力的でないというのが通常である。異性に対して感じる欲求の種類が複数ある以上、主として感じる欲求の種類も相手に応じて変わってくる。しかしながら、Aさんを選んだからといって、Bさんに感じていた欲求が消えて無くなるわけではない。異性との接点が増えてくると、このように並列化された異性の中で一体誰を選び取るのかというのが問題となってくる。最終的な決め手は容姿かもしれないし、趣味かもしれないし、言葉にできない雰囲気なのかもしれない。異性を選ぶ、誰か一人この人だと決めてしまうということは、異性を通じて自分の欲求を選び取ることでもある。選び取られなかった欲求は、せいぜい部分的にしか叶うことがない。
一度恋に落ちてしまえばこれは問題とならないのだろうし、多くの人はそうして問題を"解消"しているのだろう。だが、私のように思考先行で感情がじわじわじわじわついてくるというタイプの場合、これは重大な問題だ。何人いても問題とならない友人と違って、恋人は本質的に唯一の存在である。一方で私の中の欲求は唯一ではない。このギャップは必然的に葛藤を生む。感情の赴くままに任せきり、こういった葛藤から目を背けるというのは、後々に破綻を招くたちの悪い思考停止であるように感じられる。葛藤と向き合わない、葛藤の"解決"を放棄した恋というのは、なんだか欺瞞を欺瞞で上塗りして作りあげられた代物のように思われるのだ。

2020年3月1日日曜日

[R-18]おすすめの催眠音声

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2020年2月26日水曜日

芸能人の薬物使用報道に思うこと

誰それが薬物使用の疑いで逮捕されたといった類の報道が起こるたび、その人物をネタとして消費する動きが湧き上がる。しかし、それがどぎついブラックジョークであることを認識しながらやるのならまだしも、基本的には軽々しい気持ちでネタにしてよいものではないはずだ。本当に薬物をやって依存症になってしまったら、それは笑い事では済まない。一人の人間の人生が、人格が侵されているのだ。
一人の人間を「ネタ」として表層的に消費する姿勢の背景には、自分と彼ら彼女らは違う、彼ら彼女らは社会的「悪」だ、自分ならああはならない、といった意識があるように感じられてならない。画面の向こう側にいる人間と自分との間に線を引き、その向こう側を悪魔化する。しかし、薬物に依存してしまうような心の弱さは、誰もが持っているものである。逮捕された人が特別なのではない。たまたま近くに誘惑があった、誘惑に抗えない環境だったというだけの話である。「自分は大丈夫」だと思っている人こそが詐欺にかかりやすいのと同じ話で、薬物の被害に合わないためには、その危険を身近なものとして意識することが重要である。そして、いざというとききちんと断れるようにするためには、各々が自分の中にある心の弱さを自覚しておくべきだろう。
私は、他人を笑って後ろ指を指すのではなく、更生を応援する姿勢を取れる人間でありたいと思う。なぜなら、自分も一歩間違えればああなるかもしれないという危惧が常に心にあるからである。私が薬物を題材にした漫画を描いて架空の薬物使用者をネタにしているのも、自分の中の心の弱さをネタにして笑おうという姿勢の表れである。薬物を使ってしまった実在の人ではなく、こうした漫画の登場人物や、あるいは実際には薬物を使用していない私なんかがネタとして消費されるようになれば、もう少し社会は優しくなるのではないかと思うのだ。

......そうはいいつつ、あぎりさんの一件はキルミーベイベーの作風だけにどうしても笑ってしまうのだが。

2020年1月15日水曜日

吉野家 つながる食堂

注意: この記事には、映画「君の名は。」やおとぎ話「浦島太郎」のネタバレが含まれている。

2020年1月1日水曜日

2019年 アクセス数の多かった記事

2019年に公開した記事のうち、アクセス数が多かったものトップ10を紹介しよう。

[10位]「初恋」目次 275アクセス

[9位]麻酔博物館 293アクセス

[8位]「続・私の院試体験」目次 311アクセス

[7位]初恋(2) 371アクセス

[6位]続・私の院試体験(1) 383アクセス

[5位]8/12: 悩みの相談 384アクセス

[4位]年賀状2019 没案 / 日常系4コマ(2) 403アクセス

[3位]初恋(3) 469アクセス

[2位]初恋(1) 632アクセス

[1位]物理学と哲学の接点: 「谷村ノート」の感想 913アクセス

「初恋(1)」が1位になるという大方の(?)予想を覆し、谷村ノートの感想が番狂わせの1位となった。913アクセスは、私が運営しているブログ全体で見ても「砂漠で砂を売る23の方法」に次ぐ数字である。それだけ注目度の高い話題だったということなのだろう。
9位と4位のランクインも私には正直謎である。「初恋」や「続・私の院試体験」がウケることは予想済みだったが、それ以外についてはどういう記事が読者にウケるのかさっぱりわからないままである。アクセス数自体は多くなかったが、「マッチングアプリを使ってみた」「ペニスの面白さはどこにあるのか?」あたりの記事は反響が大きく、何人かに面白かったとの感想を頂いた。自信のある記事だっただけに嬉しかった。
なお、累計アクセス数がダントツで最多の記事「砂漠で砂を売る23の方法」のアクセス数は、2020年1月1日現在、1730にまで到達している。

今後とも当ブログをよろしくお願いしたい。