2018年6月30日土曜日

メモ: 最近読んだ論文(2018年6月その2)

1)A pH-driven transition of the cytoplasm from a fluid- to a solid-like state promotes entry into dormancy

細胞は、細胞質のpHを低下せせるというシグナルを使って細胞質の弾性を高め休眠状態に入っているという論文。4Sのセミナーで読んだ。大量の入念な実験によって主張を示していて面白かったが、その一方でやるのは大変そうだなあという感想を抱いた。
Munder, M. C., Midtvedt, D., Franzmann, T., Nüske, E., Otto, O., Herbig, M., … Alberti, S. (2016). A pH-driven transition of the cytoplasm from a fluid- to a solid-like state promotes entry into dormancy. ELife5(MARCH2016), 1–30. https://doi.org/10.7554/eLife.09347

2)A Transient Rise in Free Mg2+ Ions Released from ATP-Mg Hydrolysis Contributes to Mitotic Chromosome Condensation

Mg2+の濃度上昇がクロマチンを凝縮させ有糸分裂を引き起こすのだという論文。これも4Sのセミナーで読んだ。新しく開発したプローブが活躍したらしい。
Maeshima, K., Matsuda, T., Shindo, Y., Imamura, H., Tamura, S., Imai, R., … Nagai, T. (2018). A Transient Rise in Free Mg2+Ions Released from ATP-Mg Hydrolysis Contributes to Mitotic Chromosome Condensation. Current Biology, 28(3), 444–451.e6. https://doi.org/10.1016/j.cub.2017.12.035

2018年6月27日水曜日

影響を受けたblog

私が影響を受けてきたブログを(先方には無断で)紹介する。

 1.「バーチャルコンソールクエスト」(https://ameblo.jp/fc-kuma-vc/)
私が初めて定期的に読んだブログである。中1くらいの頃だろうか、私はWiiでファミコンなどの昔のゲームをダウンロードして遊ぶのにはまっていた。それで色々調べていて見つけたのが、昔のゲームについての思い出を語るこのブログだった。このブログなしでは、昔のゲームで遊ぶのは一過性に終わっていただろう。

2.「やまなしなひび-Diary SIDE-」 (http://yamanashirei.blog86.fc2.com)
バーチャルコンソールクエストからゲームつながり(管理人同士も繋がりがあるようだ)で発見したブログである。ゲーム、アニメ、漫画と娯楽全般で、また人格的にも強い影響を受けた。このブログの記事を読んで買ったゲーム、漫画は数多い。また、アニメに関しては、アニメを見るということそれ自体このブログを読んで始めたことだった。鋭い考察記事や、作品の面白いポイントを見事にえぐり出した紹介記事など、読み応えのある面白い記事が多く、今に至るまでもう10年近く(*)読み続けている。

3.「本しゃぶり」 (http://honeshabri.hatenablog.com)
このブログを読み始めたのは比較的最近で、けものフレンズの頃である。世界史の知識を無駄に活かしたアニメ考察記事や、聖書をおもちゃにして知的にふざけるような記事が特徴的だ。教養を全力で無駄遣いして面白い記事に仕立てあげていくこのスタイルにはすっかり魅了されてしまった。強く尊敬するブログである。

4.「逆にこのとき確かにそうなる。」(http://d.hatena.ne.jp/nipox25/)
URLの通り、にぽ(@nipox25)さんのブログである。1~3と違って、テキストベースのシンプルで質素なブログで、おそらく(私のような)にぽさんの知人しか読んでいないだろう。だがこれが面白い。独特の着眼点と軽妙な文章で読み甲斐のあるブログになっている。私はこれを読んで、自分もブログを書いてみようかとふと思い立ったのだった。その意味では最も直接的に影響を受けていると言ってもよい。

5.「雑記帳」(http://ykst51.blogspot.com)
これは私の友達である雪下(@Mopepe51)のブログである。このブログからは、内容というより形式の面で影響を受けた。というのも、私にbloggerというサービスを教えてくれたのがこのブログなのである。bloggerはGoogleのアカウントさえあれば簡単に開設することができ、広告表示がなくブログの見た目がすっきりしているので気に入っている。もし雪下がブログを作っていなかったら、私は今頃はてなブログか何かで投稿していることだろう。見る限り彼は一ヶ月でブログに飽きたようだが、このブログが私に与えた影響は大きいといえる。

(*)多分、8~9年。

2018年6月25日月曜日

頓挫

どうせ読んでいる人がほとんどいないblogであるので、この場を借りて白状しておくが、私はキャンパスで勝手にゴーヤを育てていた。しかし、どうか通報しないでほしい。表題の通り、それは頓挫してしまったのだ。

初夏、私はゴーヤの苗を5つ買ってきて、キャンパス内の各所に植えた。その内の一箇所が三昧堂の近く(写真1)である。
写真1 ゴーヤを植えた直後の様子

このように、雑草が伸び放題になっていた場所を選んで植えた。そのような場所は手入れされず放置されていると思われたからである。私はゴーヤの育ちを観察しながら日々を過ごしていた。ゴーヤはちゃんと根を張って、つるを伸ばしてきていた。
しかし、私は放置されていると踏んでいた5箇所であったが、1箇所、また1箇所と草刈りされていった。三昧堂近くの場所はそうして残っていた最後の砦であったが、先日、ここも草刈りされてしまった(写真2)。

写真2 草刈りされた後の様子

かくして、残念なことにゴーヤ栽培は失敗に終わってしまった。当局がこれほどきちんとキャンパスを管理しているとは、大変意外であった。

キャンパスで勝手に植物を育てるのに成功している何某(*)に話を聞くと、標柱をたてておくべきだということだった。しかし、それには苗以上にコストもかかるし、何より面倒である。
今回の一件により、キャンパスは野菜を育てるのに不向きな場所だとわかった。この教訓が読者の方への参考になれば幸いである。

(*)この大学には「キャンパスで勝手に植物を育てる」ことを目的として秘密裏に活動している団体があり、私と「何某」はそのメンバーである。

2018年6月4日月曜日

メモ: 最近読んだ論文(2018年6月)

1) Feedback for physicists: A tutorial essay on control

制御理論のReview。3Aセメスターのセミナーで読んだ。ただし、非線形のところまでは行けなかった。ミスプリントが多く読みにくかった。制御理論は他の教科書を読んだ方がわかりやすいと思う。
Bechhoefer, J. (2005). Feedback for physicists: A tutorial essay on control. Reviews of Modern Physics77(3), 783–836. https://doi.org/10.1103/RevModPhys.77.783


2) The Bacterial Cytoplasm Has Glass-like Properties and Is Fluidized by Metabolic Activity

細胞質の粘性についての論文。4Sのセミナーで読んだ。バクテリアの細胞にプローブを入れて、それがブラウン運動でどう動くかを追跡し測定した。代謝が低調な状態の細胞は細胞質がガラス的になっていたという。
Parry, B. R., Surovtsev, I. V., Cabeen, M. T., O’Hern, C. S., Dufresne, E. R., & Jacobs-Wagner, C. (2014). The Bacterial Cytoplasm Has Glass-like Properties and Is Fluidized by Metabolic Activity. Cell156(1–2), 183–194. https://doi.org/10.1016/J.CELL.2013.11.028


3) Imaging Electronic Excitation of NO by Ultrafast Laser Tunneling Ionization

NOのHOMOの形状の電子励起状態による違いをトンネルイオン化という手法で観察したという論文。4Sの実験の配属先研究室の論文紹介セミナーで発表するために読んだ。トンネルイオン化と多光子吸収過程の峻別に苦労している印象で、ゆくゆくは化学反応のリアルタイムイメージングに応用したいとはいうものの、反応の途中の分子を見るような場合はスペクトルのどのピークがどの過程に対応するのかの帰属が相当難しくなるだろうなと思った。
Endo, T., Matsuda, A., Fushitani, M., Yasuike, T., Tolstikhin, O. I., Morishita, T., & Hishikawa, A. (2016). Imaging Electronic Excitation of NO by Ultrafast Laser Tunneling Ionization. Physical Review Letters116(16), 1–5. https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.116.163002


読んでいる論文のジャンルがバラバラで専門性が不明である。

2018年6月2日土曜日

好きなマンガ・書籍

無KのKの記事(「カラオケの定番曲」)で行った、列挙して簡単な解説を書くという形式に味を占め、ついでに好きな漫画や本について書いてみることにした。なお、以下のリストは、すべて私が笑えるかどうかという基準だけで選んである。好きな順に並べたというわけでは特になく、思いつくままに書いた。

1. 不思議なソメラちゃん (ちょぼらうにょぽみ)
ひたすら不条理な展開が続くマンガである(*1)。

2. キルミーベイベー (カヅホ)
頑丈な体を持つやすなが、殺し屋の友達ソーニャに付きまとって、煽ったり攻撃を仕掛けたりしては手痛い反撃を食らうというマンガである(*2)。

3. 山本アットホーム (山本アットホーム)
山本家の日常を描く。風刺・暴力・不条理・知識の無駄遣い・妙な言い回しと、私の好む要素をほぼすべて抑えた恐ろしいマンガである(*3)。

4. かぐや様は告らせたい (赤坂アカ)
プライドが高く互いに告白できないものの好意を持っている2人が、相手に告白させるため権謀術数を巡らすというマンガである(*4)。

5. 帰宅部活動記録 (くろは)
"帰宅部"に入部した女子5人が喋ったり遊んだりするマンガである(*5)。私のアニメ体験の原点で、非常に思い出深い作品といえる。

6. われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う (土屋 賢二)
哲学者である著者が、自らの思考力と偏屈さを存分に活かして身の回りの様々なことについて思いつく限りの屁理屈を書き連ねたエッセイ集である(*6)。

こちらも、僕が好むであろう本があれば教えてほしい。おおよそ、風刺・暴力・不条理・知識の無駄遣い・妙な言い回し・屁理屈といった要素が好きである。逆に、パロディ、下ネタなどはあまり好きではない。
以下、注釈でネタバレあり。