2020年7月13日月曜日

ライプニッツの公式で円周率が3.05より大きいことを証明する

円周率が3.05より大きいことを証明せよ。
最も有名な数学の入試問題の1つ(*1)、2003年東大入試での問題である。内接8角形を考えて幾何的に考察していけば解けるらしい。ただ、それが入試本番で思いつくかというのが問題だ。そこにはセンスとひらめきが要求されるといえるだろう。
だが今は違う。大学の教養過程で微積分学をやった私は、もっと愚直なやり方を知っている。

ライプニッツの公式だ。1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + 1/9 - 1/11 + …… と交替級数の計算をやっていくとπ/4に収束するという、アレである。導出(*2)は簡単で、arctanをテイラー展開して両辺に1を代入すればいい。
そういうわけで、眠れぬ夜を過ごしている今日、ふと思い立って何項目まで計算すれば π>3.05 がいえるのか調べてみた。とはいっても手計算なんて面倒なことはしない。文明の利器を使ってやろう。簡単にプログラムを書いて実行すればいいだけだ。
結果はすぐに出た。12項目の1/23までやればいいとのことだ。12項目まで計算した結果は1023461776/334639305となる。とても手計算ではやってられまい。たとえこの解法を思いついたとしても、実用性は低そうである。

とはいえ、センスもひらめきもない凡夫たる私であっても、教養数学の知識とパソコンさえあれば簡単に解けてしまうというのは喜ばしいことだともいえる。これからも文明の利器に依存して生きていこう。

(*1)私は、加法定理の証明と「tan1°は有理数か。」と合わせて勝手に三大有名問題と呼んでいる。
(*2)真面目に証明しようとするとarctanのテイラー展開の証明でややこしい感じになるが、適当に認めてしまって気にしない。

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