2019年7月23日火曜日

さざれ石はいわおになるか?

「君が代」の歌詞は次のようなものである。
君が代は 千代に八千代に さざれ石の いわおとなりて 苔のむすまで
ここで、私の頭にある疑問が浮かんだ:

果たして、さざれ石(小さい石)は巌(大きな岩)になりうるのだろうか?なるとすれば、どのようなプロセスによってなるのか?

大きな岩が次第に風化して小さく削れていくというのなら分かる。しかし小さいものが大きくなっていくというのは一体全体どういうことなのか?ローマ帝国やモンゴル帝国じゃあるまいし......。
そこで、先ほどの疑問の回答として、私なりの仮説を3つほど立ててみた。以下、順に見ていこう。

1)ならない。
さざれ石はいつまで経ってもいわおにならない。だから「君が代」はいつまでも続く。「さざれ石がいわおになって苔が生える」のは、ありえないことの比喩である。

2)さざれ石は一回溶ける。
さざれ石はプレートに運ばれて沈み込み、地球内部でマグマになって他の場所で噴出することで巌になる。

3)地球の形成過程を表している。
宇宙空間に散らばった「さざれ石」は、万有引力によって次第に集まっていき、やがて巨大な岩の塊である地球を形成した。「苔」は地球の表面に(地球の直径と比べれば)薄く生えている植物を比喩的に表している。

色々考えてみたが、Wikipediaによればどれも違うらしい。地下水に溶け込んだ炭酸カルシウムなどの成分が、析出するときに小石と小石の間を埋めるからさざれ石は巌になっていくのだそうだ(*1)。このようにして堆積岩を作るはたらきは続成作用と呼ばれる(*2)。
へー、そうなのか。勉強になった。これから式典の際には続成作用のことを考えるようにしようと思う。

(*1)Wikipedia「さざれ石」https://ja.wikipedia.org/wiki/さざれ石 2019年7月23日閲覧。
(*2)Wikipedia「続成作用」https://ja.wikipedia.org/wiki/続成作用 2019年7月23日閲覧。