2018年10月24日水曜日

笑いの要素

以前、好きな笑いの要素について少し述べた。この記事では、その要素の具体的な中身について、やや詳しく書いてみようと思う。

1 論理
登場人物が奇妙な論理にしたがっているというもの。
1-1 屁理屈・パラドックス
登場人物(など)が大真面目に主張している(緻密な)理屈が、にわかには受け入れがたいものだというパターン。例えば、「森のくまさんの謎」など。なぜ受け入れがたいのか、わかりにくい方が面白い傾向にあると思う。
1-2 論理の飛躍
登場人物は当然成り立つと信じている理屈が、どうみても飛躍しているというパターン。「今日はパンツを履き忘れたから、あなたのパンツを見せてほしい」(「有害指定同級生」1話)など。1-1と似ているが、こちらは飛躍が明白な方が良い。
1-3 自明な主張
登場人物は大真面目に主張しているが、その内容は自明だというパターン。例えば、「ダイオタロスは、彼の父親の息子でありました。」(ガレッティ先生失言録)など。
1-4 自己矛盾
即座に矛盾し、意味不明な発言をしてしまうパターン。「アレクサンダー大王は、彼の死の21年前に毒殺された。」(ガレッティ先生失言録)など。
1-5 頭脳戦
将棋のような理詰めの頭脳戦を、なんでもないところで繰り広げるパターン。しりとりで頭脳戦を繰り広げた、アニメ「帰宅部活動記録」7話などがある。

2 知識
学校で習うような知識を笑いの題材とするもの。厚切りジェイソンの芸が代表的だろうか。

3 表現
変な比喩や言い回しを使うというもの。拙作だが、「つい洗剤を出しすぎてしまい困る」の怨念のくだりが該当している。

4 暴力
直接的に人を殴る、といえばやはり「キルミーベイベー」である。あまり見たことはないが、恐喝、殺人、薬物などもここに入れて良いかもしれない。

5 皮肉・風刺
登場人物や社会への皮肉をいうもの。漫画で例をあげるなら、「山本アットホーム」2話あたりか。

6 不条理
およそ脈絡のない展開が続くもの。「あいまいみー」など。シュールギャグと一緒にされることも多く、「不条理ギャグ」の世間で一般的な定義ははっきりしない。私は、「意味不明な演出(ミクロ的な意味不明さ)をシュール、意味不明な展開(マクロ的な意味不明さ)を不条理」としている(*1)。

逆にあまり好きでない傾向にあるのは、
A パロディ......元ネタがわからないことの方が多い。
B 下ネタ......下品なだけで面白さがよくわからないという経験が多い。
C 差別......現実の人間をむやみに傷つけるようなものは良くない気がする。
などである。

(*1)「支離滅裂」という形容に馴染むものが不条理、とも言い換えられる。なお、これらは個人的な表現であり、異論は多々あると思う。

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