2018年10月21日日曜日

私の院試体験(13)

・8月21日(3)
私は試験場を一時退室した。用を足し、外(*1)の空気を吸い、試験場に戻った。私はすっかり冷静を取り戻した。
一息ついた上で、改めて問題を考えてみる。すると、今まで手も足も出なかったのが嘘のように、解法が手に取るように浮かんできてすらすらと解けるようになった......そんな展開を夢想していたが、それが現実になることはなかった。やっぱり全然解けなかった上、あまりにも解けないのでまた気分が悪くなってしまった。試験はそのまま終わった。
私はすっかり気落ちして、自転車をとぼとぼ漕いで乙宅へ帰った。途中、カレー店の「ビイヤント」に寄ってベジタブルカレーを食べた。ベジタブルカレーを選んだのは好物のゴーヤーが入っていたからだ。しかし、ゴーヤーを食べてもなお私は気落ちし続けていた。
乙は今日もバイトのようで、まだ帰宅していなかった(*2)。疲れ果てていたため、乙が帰宅するまでスロウスタートの続きを読んで待つことにした。しばらくするとスロウスタートを読破してしまったので、以後は乙のfire TV stickを(勝手に)借りてキルミーベイベーを延々見続けていた。
乙は21時ごろ帰ってきた。乙と適当に会話して、日付が変わる前に就床した。

・8月22日(1)
この日は8時ごろに起きた。しばらくTwitterなどをした後、パンをもしゃもしゃ食べ、歯を磨き、ヒゲを剃った。ヒゲを剃っていたら顎から出血してしまった。痛かった。血が止まってから顔を洗い、スーツに着替えた。今日は乙は用事で午後は部屋にいないらしい。私が面接を終える頃にはすでに部屋を出発しているだろうとのことだったので、乙に別れと感謝を告げ、昼頃乙宅を発った。
京大に着くと、筆頭試問の合格者の掲示がしてあった。受験票と照らし合わせてみて、自分の番号があることが確認できた。まずは第一関門クリアである。ここに番号がなければ、面接を受ける権利さえ与えられない。とはいえ、筆頭試問の不合格者は全体の1割ほどのようだ。ここでは相当出来の悪い学生だけを弾いているということだろうか。筆頭試問に合格したとはいえ油断はできない。特に私の場合、合格は合格でも第一志望の研究室に合格しなければ実質不合格なのである。「第一志望の研究室には合格させてあげられないけれども、第二志望のところなら面接の結果次第で考えてやらないこともない」という意味の「筆頭試問合格」かもしれないのだ。私は午後の面接に向けて身構えつつ、指定された集合場所へと向かった。(続く)

(*1)ここでいう外とは、廊下である。排泄しながら深呼吸していたわけではない。
(*2)部屋の鍵はポストに入れてもらった。ポストの鍵の外し方は予め教えてもらっていた。

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