2018年10月8日月曜日

私の院試体験(1)

最近、院試に合格した。その経緯をまとめておこう(*1)。

・2017年まで
東大、京大、名大などの研究室見学をしていた。

・3月下旬~4月上旬
京大と北大に行き、研究室見学をした。
北大の方の研究室は、どうやら学生に全く人気がないらしい。これは、研究室がキャンパスの中の僻地にあるせいである。北大のキャンパスはかなり広く、キャンパス内に草原がある(*2)のだが、その研究室が入っている建物は、キャンパスの中心部から北に向かってずんずん進んで、そこから更に草原を一つ挟んだ向こう側にある。そこにたどり着くために高校同期の北大生に案内してもらったのだが、あまりに僻地にあるため一緒に迷子になってしまった。こんなところ来たことがない、ほとんどの学生がここに何かあること自体知らないのでは、とまで言っていたので、余程知名度がないのだろう。ここを受ける学生は例年0人か1人かという話だった。私は、北大は受ければ受かるなと思った。なお、僻地にあると言ってもそこは200万都市札幌の中心部、柏よりもはるかに都会だった。建物自体もかなり綺麗だ。
北大ではそこの助教の先生とLINE友達になった。どうやら、あの建物にいるとあまり人と会話をしなくなるらしい。しばらくすると私のTwitterアカウントまで特定されてしまった。

・4月中旬~5月
東大と東工大で研究室見学をした。
大学では、研究室の先生に渡された分子分光学の論文を読むなどしていた。卒研の面談も確かこの頃だった。
とりあえず北大は受けることにした。化学専攻と数学専攻の二つの選択肢があったが、北大の研究室のボスと相談して、数学専攻から受験することにした。有機化学や無機化学のことはさっぱりわからない(*3)からだ。ちなみに、北大の数学専攻の入試において、数学の能力はレポート・志望動機書と口頭試問で評価される。口頭試問はレポートの内容について聞かれるらしい。口頭試問には東京会場もあって便利である。
北大数学専攻の場合、英語は何とTOEFL ITPで良い。 他専攻(や他大の院試)ならTOEFL iBTのスコアシート提出を求められるところだ。東京会場も数学専攻だけであるし、数学専攻だけ受験者にやたらと甘い。ともかく、生協に行ってTOEFL ITPの団体受験に申し込んだ。

・6月上旬
北大に予め出しておくレポートを書かなければならない。いくら受ければ受かるだろうとはいっても、あまりにひどいものでは話にならない。そして、私の数学力はひどいものなので、全力を出す必要があるだろう。レポートでは、興味を持った定理や理論について纏めて紹介することになる。研究室では理論生物学をやろうと思っており、志望動機書との対応を考えると、力学系のカオスについて書くのが良さそうだと判断した。
しかし具体的に何の定理について書こうか。4Sではそのものずばり「カオス」という授業を受けていたが、これは数学的にはふわふわしていて、この授業を起点に数学者に読ませるためのレポートを書くのは難しそうだと感じた。そうして、しばらくHirsch, Smale, DevaneyやStrogatzを読む日々を送っていた。 (続く)

(*1)どうでも良いが、院試体験は臨死体験と響きが似ていることに気が付いた。
(*2)東大で言えば、柏キャンパス北部のような感じだろうか。
(*3)それぞれ有機化学I、無機化学Iしか履修していない。

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「私の院試体験」目次

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