2018年10月9日火曜日

私の院試体験(2)

・6月中旬
レポートはポアンカレ・ベンディクソンの定理について書くことにしようかと思い、ノートに構想を纏めた。ところが、常微分方程式の知識の不足により、何が前提条件になっているのかがわからずどうにもうまくいかなかった。
6月中旬にはTOEFL ITPの試験があった。一週間くらい前になって慌てて対策本を取り出し、研究室もサボって(*1)過去問演習をした。 英語をスピーディーに処理するのは久しぶりだったが、思っていたほど悲惨な劣化はしていないようだ。リスニングが他のセクションよりやたらと難しいことはわかった。それにしても英文をスピーディーに処理する勉強というのはつまらないなと感じた。
本番の試験ではちょっとした事件が起きた。試験の前は、配られた注意事項の紙を読みつつ気楽に過ごしていたのだが、注意深く読んでみて、結果の発送日が北大の出願締切日より後になっていることに気が付いたのだ。私は青ざめた。今からTOEFL iBTに申し込んでも間に合わないだろう。ここに来て出願に失敗したか。1Aセメスターの記憶が蘇る。
しかし、結果の発送日と出願日の前後関係は申し込み前にきちんと確認した覚えがある。慌ててそれを確認する(*2)と、ちゃんと出願締切日までに届く日に設定されていた。一体どういうことなのか?そうこうしているうちに、机の上を片付けろと指示される時間になってしまった。もしこの新しい発送日が正しいのであれば、詐欺みたいな話だ。生協側が勝手に発送日を変更したのだという証明を生協の人に一筆書かせて、北大側に事情を説明する展開になるだろうか。兎にも角にも発送日が食い違っている事情を問い質さなければ。そんなことを考え混乱しながら試験を受ける羽目になった。
試験が終わって聞いてみると、新しい発送日の方が誤記だということだった。本当か、信用ならないなあ、対応するのが面倒で適当なことを言っただけではないのか(私ならそうする)、当日になっても届かず、言った言わないで揉める羽目にならないと良いが......。不安を抱きながら帰路に着いた。

・6月下旬
さて、とりあえずTOEFLは終わったので、レポートの方で色々試行錯誤を重ねた。その結果、構造幾何学の授業で習った知識を活かして、位相力学系のカオスについて書くようにテーマを再設定した。ロジスティック写像のカオスなどの性質を書くことにして、数値計算と厳密な証明の両方向からアプローチするというレポートの骨子を決めた。それに沿ってノートに構想をまとめつつ、行間を埋めていった。

・7月1日
記事「院試勉強に集中できない」をアップロードした。この時点で当のレポートは全然書けていない。レポートの提出期限まで残り2週間くらいになってしまった。自分で言っている通り、こんな記事を書いている場合ではない。

・7月上旬
ノートに証明を書いて肉付けしていったのだが、行間が埋まらない箇所がある。フォロワーの人たちや牛腸先生に相談して、誤読していた箇所を指摘してもらい何とか行間を埋めた。主要部分が完成したので、TeXでの清書作業に入った。
ちなみに、レポートにはいくつか数値計算の結果が挿入されているが、これらは実のところ数理科学演習Iで作ったプログラムや計算結果を流用しただけである。こういう手抜きの図を使ってページ数を稼いだところがあのレポートのポイントだ。数値計算のセクションは手抜きのために作ったと言っても過言ではない。どうやら、無駄に改行をして行数を稼いだ読書感想文を提出していた小学生時代から私は何も成長していないらしい。(続く)

(*1)ちょうど梅雨で機械の調子も悪かったのと、他の事情もあって、まあ休んでも良いかという空気が私の中に醸成されていた。
(*2)TOEFL ITP団体受験告知ポスターの写真を携帯電話で確認したのか、受験票に記載があったのか、よく覚えていない。

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