アニメてーきゅうで好きな話を挙げよう。詳細はネタバレになるので順位だけ書くと、1位「先輩とセブン」、2位「先輩とレザボア・ドッグス」、3位「先輩とエイリアンvsプレデター」である。以下、てーきゅうを視聴済みの人を想定して書く。
番外その1: 6期第71面「先輩と猿の惑星」
私がてーきゅうで一番好きなキャラクターは田中きなこだ。田中さんの最大の魅力は、どこか形而上学的な独特のボケにあると思う。そしてその田中さんの個性が最も引き出された回こそが、6期71面「先輩と猿の惑星」である。この回では「あえて言うなら存在してた」「自分の頭が時々変だとは思う」など作中屈指の名セリフが飛び出してくる。
その優れた台詞回しがある一方、尺の都合で原作から一部のネタがカットを食らっており、田中さんの魅力を最大まで引き出したとは言い難いのもまた事実だ。この欠点により惜しくもTop3入りはできなかった。
番外その2: 5期第56面「先輩とミッション:インポッシブル」
田中きなこついでに語っておくと、私が「てーきゅう」の中で最も好きなセリフは5期56面「先輩とミッション:インポッシブル」における田中きなこの「クッキーがそこにあるからです」だ。アニメ化にあたって前後のセリフが削られた結果ボケの意味(*1)がかなりわかりにくくなってしまっているのが難点だが、私はこれこそが形而上学的ボケの真骨頂にして、田中きなこの人となりをまさに体現するかのような超重要セリフだと思っている。
3位: 5期第54面「先輩とエイリアンvsプレデター」
5期第54面「先輩とエイリアンvsプレデター」はうどん子とトマリンがUFOに攫われる話だ。私が田中きなこの次に好きなキャラクターはうどん子なので、うどん子が活躍するこの話は大変ポイントが高い。突然トマリンの触覚を引き抜こうとしたりいきなりブルドーザーで轢こうとするうどん子の暴力性(*2)と狂気を、高密度で詰め込まれたセリフと途中から急転する展開が実現したハイレベルな疾走感が包み込んだ隙のない快作である。
2位: 5期第55面「先輩とレザボア・ドッグス」
5期第55面「先輩とレザボア・ドッグス」のテーマは電柱である。てーきゅうにはそれこそ宇宙に行くような派手なイベントを主軸とした話も多いのだが、5期55面はテーマの地味さが突出している。これでちゃんと一話もっていてちゃんとネタが詰め込まれて面白いのだから脱帽である。これがノーイベントクレイジーライフの在り方か。電柱が意思を持つタイミングも絶妙と言わざるを得ない。電柱は痛がりもせず、ツッコミもせず、ただただ励ましてくれるのだ。笑わずにはいられない。
ちなみに、この話が好きなのには突然マジレスする新庄かなえがキルミーベイベーの折部やすなを彷彿とさせるという理由もある。
1位: 8期第86面「先輩とセブン」
8期第86面「先輩とセブン」はラーメン屋店主の悲哀を描いた話だ。
話の内容の前に、8期はまずOPで大きな加点が入る。8期のOPは二パターンあるというだけでも豪華なのだが、この第86面はうどん子バージョンだ。そう、OPを歌った歴代キャラの中では最も好きなうどん子が主役なのである!素晴らしい!!最初の「今日の晩御飯は何ですか」でカメラのレンズで大きくゆがんだマイケルが一瞬出てくる時点でまず面白いし、「白色フルコース」でちょっと止まって白タイツかなえ先輩が映るのもセンスが光る演出といえる。本編に行く前にOPだけで面白いのは本当にずるい。ロシア民謡っぽいのも「キルミーのベイベー!」を思い出させて自然と高評価してしまう(*3)。
さてこの話が最高なのは、アニメてーきゅうの最大の特徴である「速さ」を面白さに直結させているところだ。アニメてーきゅうの制作技術が熟してきた8期というタイミングでてーきゅうの基本原理「速いからこそ面白い」に立ち返り、てーきゅうだからこそ実現できる笑いを最も洗練された形で提供してくれたのがこの8期第86面なのである。「自分で食うんかい!」はそこに至るまでの小気味よい効果音がツッコミに華を添えているし、「ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホで!」はセリフそのものの面白さ(*4)に早口の声の面白さが加わって味わい深さが増している。「野菜いじめ」や小声の「続く」など小ネタも印象深い。そして極め付けはあのオチである。スピード感と無言演出が生む絶妙なシュールさはまさに一級品、放送から早2年が経てど未だ私の心に残り続けている名作だ。
それにしてもPS4が欲しい。アサシンクリードオデッセイをやってみたいし、てーきゅうブルーレイの特典映像を見てみたいとずっと思っている。しかもキルミーベイベーがアマゾンプライムから消えてしまって困っているのだ。PS4が部屋に湧いてこないものだろうか。
(*1)「何でクッキーがあるの?(=どうしてあなたはクッキーを持ってきたのですか)」と問う鈴木あやこに対して、「クッキーが在るのは、クッキーがそこに在るからだ」と答えた、というシーンである。
(*2)特に「いきなりブルドーザーで轢こうとする」はてーきゅう全話を見渡しても最強と言っていい暴力性である。こんなトチ狂った行動ができるてーきゅうキャラはうどん子以外にいないだろう。
(*3)ただ、やしきんの作詞ではない分歌詞は少々てーきゅうらしさに欠けている印象がある。うどん子はうどんな日々を嘆きはしないだろう、と。その点4期には叶わない。
(*4)イギリスの地名である。私はこういうトリビア的なネタに弱い。
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