2021年1月1日金曜日

これまでの投稿を振り返る

2020年に投稿した記事を振り返る記事を書こうと思ったが、思えば今まで一度も振り返りの記事を書いていない。そこで、最初から振り返っていくことにする。

「無KのK」の由来 (2016/03/14)
私がブログを始めたのはB1の終わりのときだ。nipo先輩の「逆にこのとき確かにそうなる。」を読んでいるうちに、自分もブログを書いてみようと思い立ったのである。nipo先輩のブログの他に、東大のサークル「時代錯誤社」が発行しているキャンパスマガジン「恒河沙」に熱中し、自分も自分なりの文章表現を探ってみたいと考えていたという背景もある。
ブログのタイトルは、「無用の用」「無知の知」に因んで命名した。最初は「無XのX」だったが、語呂が悪いと考えて現在の「無KのK」に改めた。これは我ながらいいネーミングだったと思っている。

志望理由(1) (2016/03/15)
私がブログを始めた目的の一つに、自分が考えたことをまとまった文章で表現できる場所がほしいというものがあった。当時は東大を退学しようかどうかについてよく考えていたので、それについて書きたいと考えた。そのためには、自分がなぜ東大に入ったのかという点から話を始めなければならない。後の布石としてこの記事を書いた。

将来的に飯テロは猥褻性を帯びることになる (2016/05/25)
初めて書いたネタ寄りの記事だ。時代錯誤社への憧れから、何か笑えるような記事を書きたいと思っていた。そこで、屁理屈を中心に記事を組み立てるスタイルを考えたわけである。

読解力の重要性を示す1つの事例 (2016/08/25)
読者が増えてきたのを感じて、読者の期待に応えるべく持ちネタのエピソードを披露したのだが、好評だった。アクセス数も割と多く、大体の記事が100~300程度に収まるところ、この記事は600以上のアクセスを稼いだ。読んでもらえてよかった。

Arduous Learning of English for a Science Student (1) (2016/11/06)
これも後の布石である。退学話を書くためには、授業がつらいという話が必要だった。ALESSの記憶が薄れる前に書かなければと思ってはいたのだが、記事を書くのが面倒で予定が延び延びになり、このタイミングでの記事公開となった。

2017年賀状(問題編) (2017/01/01)
私が年賀状にクロスワードを載せるようになったのは、このインターネット時代においてわざわざ紙の葉書を送るのであれば紙であることを活かして何かしたいと考えたことがきっかけだった。2016年の年賀状が最初のクロスワードで、この2017年賀状は2作目である。当時はよくできたと思っていたが、今見るとマスの配置が汚く完成度が低いと感じる。

私の進学選択(1) (2017/01/07)
ここでようやく当初の目標であった退学検討話が書けた。もうB2も終盤に入っていたので、進学選択と絡めて書いた。この3部作も平均すれば600程度のアクセスがあった。

砂漠で砂を売る23の方法 (2017/03/18)
この記事は力作である。キリのいい数までネタを考えるのが大変だった。最後のオチの突飛さには特に自信がある。
この記事は私が今まで公開した記事の中でも飛び抜けて人気が高く、アクセス数は現在2939で歴代一位に君臨している。「砂漠で砂を売る方法」の検索結果からの流入があるのだろうか。

「お花を摘みに」 (2017/05/26)
トイレ中に考えたことを記事にした。1人だけ、学科の友達が「この記事は面白い」と言ってくれた。

K鳴狗盗 (2018/03/09)
B3の頃はブログの停滞期だった。面白くなりそうなネタを出し尽くしたのだ。また、「読解力......」や「砂漠で......」などの記事は好評だったが、その結果私にとってこれらの記事が一種の"越えられない壁"になってしまい、記事を書くハードルが自分の中で上がってしまった。そこで、もっと肩の力を抜いて書き散らせる場所としてこの「K鳴狗盗」を作ったわけだ。この試みは実際成功した。大して面白くならないだろうと思って「K鳴狗盗」で書き始めたものの、出来上がってみると予想以上に読み応えのあるものになっていたため「無KのK」で公開したというような例はいくつもある。

頓挫 (2018/06/25)
ゴーヤをキャンパスに植えたら全部撤去されたという話である。わざわざK鳴狗盗に行って記事を読む人など誰もいないだろうと思って書いたのだが、予想に反して読者がおり、この「ゴーヤキャンパス事件」が広まってしまった。私は、自分のブログには自分が思っているよりはファンがいるということに気がついた。

続かぬ家計簿 (2018/06/29)
B4の夏、院試前の時期に書いた記事だ。この頃になると学科の友達ともだいぶ打ち解けてきて、しばしば学生控室でだべったり一緒に勉強したりするようになっていた。
そうしていると、学科の友達のさとう君に「ブログ更新してよ」と、ブログ執筆を何度も促されるようになってきた。その頃の私はK鳴狗盗を更新するばかりで、無KのKは今一つ更新できていなかったのだが、こう何度も言われるのであれば一度考えて書いてみるか、と色々書いてみることにした。これが2018年6月の無KのKの連続更新であり、大した記事が更新されていなかった無KのKはこうして再始動することになった。2017年9月~2018年5月における断絶の後では、無KのK全体の作風も以前とはやや異なっている。
さて、「続かぬ家計簿」はこの時期の中では一番の自信作で、作風の変化を象徴する記事である。これまでのネタは屁理屈を機軸に理屈っぽいものを作っていたのだが、この記事では比喩を駆使して理屈のようで理屈になっていない意味不明な文章を書きあげた。こうして屁理屈の中にシュール系の味わいを加えることで、今に至る無KのKの基盤を作ったのがこの「続かぬ家計簿」なのである。

つい洗剤を出しすぎてしまい困る (2018/10/02)
これは私の中でシュール系記事の一つの到達点であり、今まで書いた記事の中でもトップ3に入るほど気に入っている記事である。タイトル通り「つい洗剤を出しすぎてしまい困る」というだけの話なのだが、それだけの内容をよくぞここまで長い文章にしたものだ、あっぱれ、と我ながら思う。「幽霊が出た」〜「ホラーが苦手」のくだりは最高に気に入っていて、自分で書きながら自分で笑ってしまい、推敲のためにもう一度読んでまた自分で笑ってしまった。これが他人の書いた文章ならもっと笑えていたのだろうと思うと、この記事を自分で書いてしまったのが惜しく感じられるくらいである。

「私の院試体験」目次 (2018/10/14)
院試について書いた連載だ。みりあハウスをびっくりゴミ箱と形容するところと、(11)の注釈3は結構好きである。

k to the k-th power (2018/11/09)
K鳴狗盗でもまだ気軽さが足りないと思ったので、さらにブログを増やした。完全に日記用なのだが、これでもアクセス数は10くらいある。どこに需要があるのか謎だ。

4コマ漫画「STOP!! 薬物乱用!」 (2018/11/21)
きらら展に行った帰りに突発的に「自分もマンガを描きたい」と思い、ネタを考えて書いてみたのがこれである。棒人間の漫画なのだが、これがリツイートされているのを見た人が女子高生が出てくるちゃんとした感じのものに描き直してくれた。これが本当に嬉しくて、テンションが上がりすぎて翌日自転車に乗っている時転倒しかけた。
おくは「面白かった。最初の「今日はどこ行く?カラオケ?ボウリング?」というセリフに作者の「娯楽を知らない田舎者」感が出ていて、そこが特に面白かった」と言っていた。

12/11 午後 (2018/12/16)
このブログの準レギュラーのような存在の「おく」だが、彼の初登場はおそらくこの記事だ。
「いくいく」という彼のリプライが面白い。おくとの見学体験記はこの後シリーズ化されることになる。

日常系4コマ(1) (2018/12/24)
クリスマスを題材に漫画を描いたらこうなった。今読み返すと、主要登場人物が大麻を所持しているくらいならまだOKだろうが、覚醒剤を打っているのは流石に倫理的にまずいというか、少しやりすぎた感じがする。大麻が合法なオランダでも覚醒剤は規制されているように、覚醒剤は大麻よりも危険性が大きいと考えられているのだ。
プレゼント交換を量子力学の正準交換関係に結び付けたネタはわかりにくくて気に入っている。一応解説しておくと、位置演算子と運動量演算子が交換するというのは、要するにプランク定数がゼロの極限をとっているということである。

バレンタイン・チョコクッキー (2019/02/14)
参考文献をやたらちゃんと書くというネタの記事である。参考文献をちゃんと書くのが面倒だった。

だから私は「おはよう」と言う (2019/03/24)
Twitterのフォロワーに高校の国語教師がいるのだが、その人が酔っぱらったときに「「無KのK」の記事を題材に授業を作り、後で俺に個人授業をしろ」と言い、判断力が鈍っているのに乗じて約束を結ばせた。あとで約束通り個人授業してくれたのだが、そのときに授業の素材となったのがこの記事だった。ふざけて書いている箇所を除けば構成自体は意外にちゃんとしているのだなということが分かった。
その授業で、「心があたたかくなる」の「あたたかい」は「暖かい」ではなく「温かい」だと指摘された。今は修正済みである。

初恋・上 (2019/05/13)
非常に大きな反響があった人気記事だ。推敲に推敲を重ねた後に満を持して公開した記事であり、私としても内容には自信を持っている。「下」の「〜したかった」が連続する表現は
特に気に入っている。
「切ない」「昔の自分を思い出した」という感想が多かったが、数名、「「彼女」は大麻か何かの隠喩だと思って読んでいたら人間だったので驚いた」という感想を寄せてきた人がいた。このような感想が出ることは全くの想定外で、私こそ驚いたものである。この記事をきっかけに私のTwitterをフォローし始めた人もいるのだが、話を聞いてみたところ、「こんな繊細な文章を書く人ってどんな人なのだろうと思ってフォローしたら、あんなだったから、なんか......」と言っていた。

絵: 花 (2019/07/31)
WiiUの絵心教室を使って絵を描いてみた。苦労した甲斐もあってよく描けたと思ったので、印刷屋さんに頼んでスマホのカバーにしてもらった。そのスマホカバーを使っていると、母親に「え、何それ。あんた大丈夫?」と精神状態を心配された。
私は面白い絵だと思って描いていたのだが、人によっては怖いと感じることもあるらしい。面白いというのも、怖いというのも、日常から外れた異常な出来事に対して抱く感情であるから、どちらも表裏一体のものである。怖いと思う人がいるのも宜なるかなという感じだ。

「続・私の院試体験」目次 (2019/09/21)
京大退学の経緯について書いた大作連載記事である。院試体験と言いつつ院試のシーンがほとんど出てこないので、タイトル詐欺ではないかと言われた。

ペニスの面白さはどこにあるのか? (2019/10/27)
この記事も好評だった。好評だったのだが、研究室のPDの方が、「この前のブログの記事面白かったよ!あの、ちん○んの記事」と研究室の居室で私に向かって「ちん○ん」と連呼してきたのはちょっと対応に困った。「ちん○ん」のことを「ちん○ん」と言われたら私も「ちん○ん」のことを「ちん○ん」と言うしかないのだが、私とて声に出して「ちん○ん」と言うのは恥ずかしいのである。まあ、物理系の研究室にいる以上周囲に変な人が多いのは仕方がない。2人きりだったのが幸いだった。

短編小説: 椅子とピアノのある小部屋 (2019/11/04)
シュール系の小説を書いてみた。「安部公房のようだ」と言われたものの私は安部公房を読んだことがなく、どんなものなのだろうと思って安部公房の「壁」を買ってみたのだが、いまだに読み終わっていない。本は読むと面白いけど読むのがめんどいということである。

物理学と哲学の接点: 「谷村ノート」の感想 (2019/11/11)
東大の加藤岳生先生にリツイートされた結果、累計1334アクセスを獲得した。これは歴代2位の記録である。アルファツイッタラーの影響力を感じた。
私のアカウントは何人か大学の先生にフォローされているのだが、普段のツイートは果たしてどういう気持ちで見られているのだろうか......。

京大を半年で中退して東大に秋入学した (2020/01/06)
京大を退学した理由を聞かれることが多くなったので、読みやすい文体で説明する記事が必要だと思い、書いてみた。note公式のTwitterアカウントに取り上げられて、想定以上に広く読まれた。

東京大学意味不明サークル (2020/01/29)
N先輩と会話していて「これは面白いな」と感じたため、会話しながらその内容を頑張って暗記して、飲み会が終わった後に頑張って思い出して記事にした。雪下が「速記でもしながら話してたん?」と言っていたが、これが私の本気の記憶力ということである。また、「N先輩はイマジナリーな存在かと思っていた」という人もいたが、
N先輩はれっきとした実在人物である。

「きのこの山」は山であってきのこでない (2020/02/04)
先ほどの「国語教師」曰く一番気に入っている記事らしい。ただ、あまりに
無茶苦茶な内容のためこれで授業を作るのは不可能だったそうだ。

[R-18]おすすめの催眠音声 (2020/03/01)
「いいえ」をクリックするとこども環境省に飛ぶというギミックは非常に気に入っている。ただ、あまり気付いてもらえなかった。悲しい。

性格診断 (2020/04/24)
かなり反響が大きく、いろいろな人が「自分は〇〇タイプだった」と教えてくれた。ちなみに(16)の問題は複素積分を考えて留数定理を使えば解ける。

短編小説: 洗剤 (2020/05/01)
みりあが書いた伝説的な作品である。
彼女が中学生のとき(みりあは自称女子小学生のため「中学生のとき」というのはおかしな話なのだが、どういうわけだか、彼女にも中学生だったときがあった)に書いたものだが、24歳になった今読んでも面白いからすごい。才能を感じる。

マッチングアプリ (2020/05/13)
2020年に私に起きた最大の事件が、このマッチングアプリ晒され事件だ。何せ、普段通りにTLを見ていたら、
「なんかすっごく如才くんぽい感じがする…」というコメントとともに私のpairsのプロフィールのスクリーンショットがリツイートされて流れてきたのである。これは本当にびっくりした。とはいえ、ネタとしては美味しいのである意味ありがたい出来事だった。起こってしまった災難ならネタにしないと損なので、擦り切れるまで使っていきたい。

日常系4コマ: ファンアート (2020/09/17)
ある日寝て起きたらTwitterのリプライ欄に私の漫画のファンアートが届いていた。ものすごく嬉しかった。2020年で一番嬉しかった出来事といっていいかもしれない。嬉しくていろいろな人に自慢してしまった。私のファンでいてくれる人には感謝しかない。

歯医者 (2020/11/02)
最後の1行の前に空白行を入れてタメる演出はなかなか良かったと思う。実際
この記事は好評だった。

K. 如才が答える!恋のお悩み相談室 (2020/11/22)
現在までに285アクセスを獲得しており、noteを除けば2020年で一番アクセス数があったのがこの記事だ。
あるとき、私のTwitterのフォロワーで、私のブログのファンでもある女性が、ネットで恋愛コラムを書いて幾ばくかの金を稼いでいるのだと教えてくれた。それに
対して、私がネットの恋愛コラムくらいなら交際経験がない俺でも書ける」と言い張ったことからこの記事が誕生することとなった。こうして出来上がった記事を当該のフォロワーに見せ、「編集さんにこの記事送りつけといて」と言ったのだが、編集さんに見せることすら頑なに拒否されてしまい、結局私の文章が掲載されることはなかった。
この記事に関して、1人だけ「参考になります」という感想をくれた人がいた。違うと思いたいが、もし万一この記事を読んで監禁・洗脳を決意したというのであれば単純に怖い。

振り返りは以上だ。2020年中に書き終える予定だったが、少し間に合わず2021年に突入してしまった。もう記事のアイデアも大体出し尽くしてしまっており、ブログに書くネタも特に残っていないのだが、偶然面白いことが起こったり偶然面白いアイデアを思いついたりして、これからも何か面白い記事がかけたらいいなと思う。
仮に書けなかったとしても許して下さい。

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