2018年12月2日日曜日

昔話

むかしむかし、ある高校に英語の先生が勤めておりました。ある日、生徒に論理的思考力を身につけさせようと考えた先生は、授業でディベートをさせることにしました。手始めに10名ほどの生徒を選び、彼らをA(Affirmative=賛成)チームとN(Negative=反対)チームに分け、「Girls are better than Boys」という議題を設定しました。両チームとも、よく準備して上手に立論を述べました。ところが、Nチームは、Aチームが用意した19歳男女についての統計について、彼らはGirlやBoyに当たらないとの見解を示しました。このことをきっかけにして、GirlやBoyといった用語に関する定義論争が始まりました。彼らはそれぞれ一歩も譲らぬ舌戦を繰り広げ、Aチームが辞書を引用すれば、Nチームは法律を引用するといった具合でした。この定義論争は、やがて人間の定義に関する古代ギリシア哲学的議論に発展しました。その結果、英語教師は理解に苦しんで判定を放棄してしまいました。それでも、生徒たちは先生そっちのけで議論を続けました。その後、このディベートに参加した生徒たちはみな文学部哲学科に進学し、人生について洞察を深めながら暮らしましたとさ。めでたしめでたし。(この物語は途中からフィクションです)

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