公式サイト: http://www.rainyfrog.com/ja/game/u-explore-space-adventures-jp
先日、U-EXPLORE SPACE ADVENTURESというゲームをクリアした。確かセールのときに買って放置していたものだ。クリアタイムはおよそ7時間だった(微ネタバレなので白文字にしてある)。ただし、追加5ステージはあまりにも難しくクリアできていない。
このゲームの詳しい内容を知るためには、適当にググってほしい。感想をつらつらと書く。
U-EXPLOREはWiiUゲームパッドを宇宙船の計器に見立て、宇宙船を操作して仕掛けを突破していく面クリア型アクションパズルゲームである。メーカーはアクションアドベンチャーゲームと言っており、PVでも宇宙探検をするというストーリーが語られていたので、私は惑星を隅々まで探査して行動範囲を広げていくタイプのゲームかと思っていたが、実際は違って一本道のゲームだった。序盤は仕掛けの密度が低かったこともあってこのことに気付けず、脇道にアイテムも何もないことを不満に思っていたが、仕掛けが増えてどういうゲームか分かった中盤には俄然面白くなっていた。
宇宙船にはエンジン、反重力装置、質量増加装置、減速装置など、様々な装置が搭載されていて、これをうまく使いながらステージを突破していく。敵に気付かれればだいたい即死のため、これがなかなか難しい。例えば、エンジンの音に反応する敵がいるときは、減速装置を切って、エンジンを付けて敵の近くまで加速した上で、敵の近くでエンジンを切れば敵に気づかれることなく突破できる。こうしたステルスアクションが面白かった。(本編に限れば)うんうんうなって考えればなんとか解けるくらいの適切な難易度で、それも良かった。
このゲームは、ゲームパッドに色々な装置が表示されていて、これらを巧みにオンオフしながらゲームを進めていくことになる。装置の数が多いので、操作がかなりややこしい。このタイミングでこれをああしてあれをこうしてこう動けば突破できそうだと頭では分かっていても、ゲームパッドに注力しているうちにTV画面の方では敵が動いてきてやられたり、あるいは間違えて反重力装置を切ってしまって敵の方に落下してしていてやられたりする。このもどかしさは、本作のコンセプトの一つであり、本作をWiiUならではのゲームたらしめている重要な要素である。ただ、感心した一方で、このもどかしさは、心に余裕がないとイライラしてしまうことになる。そもそもアクションパズルゲームは、終わってみればああ面白かったと言える一方で、解けないときのイライラも凄まじいジャンルである。このもどかしさはそれに一層拍車をかけており、人を選ぶゲームだと思った。私も全面的に楽しめたわけではない。特に、心に余裕があまりなかったので、パズルが解けない時間は、なんで遊んでいるのにイライラしているのだろう、二重に時間を無駄にしている、私はクソだ、と思いつめていた。
このゲームはストーリーも皮肉が効いていて結構面白い。操作する宇宙船はU-EXPLOREという会社からレンタルしているという設定だ。U-EXPLORE社は、安価で、安全で、快適で、美しい景色が見られる旅行を謳っている。しかし実際には、薄暗く不気味な場所ばかりで、宇宙船を見つけるなり即座に破壊してくる機械がうようよしており、序盤に見つけられるU-EXPLORE社との緊急通信ポッドは繋がらないという、一切の安全性が感じられない旅となっている。機体が次第に損傷していく中、果たしてこの惑星から無事脱出することはできるだろうか、というのがストーリーだ。安いがそれとは引き換えに安全性を軽視している企業が描かれるこのストーリーは、風刺的・寓話的で、特にエンディングでは笑ってしまった。杜撰な管理体制で食中毒を引き起こす食品企業、点検を怠って事故を招くメーカーなど、日々の身近なニュースを思い起こさせ、人間のダメなところが詰まった良いお話だった。
悪いと思った点を挙げておこう。全体的に暗く、特に音楽もないので地味すぎる。地味といえば、キャラクターらしいキャラクターもU-EXPLORE社の職務怠慢おばさんALEXしかいない。
ゼルダなら仕掛けを解いたときにテロレロテレテン♪と鳴っておー解けた!という感慨が得られるのだが、仕掛けが解けても扉が淡々と開くくらいで何もならないのでカタルシスが薄い。扉が開くにしても、スイッチは全部押せたはずだが一体どこが開いて先に進めるようになったんだという感じで、扉に存在感がない。「解けた!」と「先に進める!」のタイミングがずれていて、気持ち良さが足りない。ピュッとカメラが扉のところに移動してゴゴゴゴと開くところを見せてくれるだけで全然印象が違うのだが。
とはいえ、U-EXPOLOREは、とにかく地味だが、地味な中にアイデアが詰まった、結構面白いゲームだった。
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