2024年9月6日金曜日

鼻炎薬の話

私はスギ花粉などのアレルギーを持っており、よく鼻炎に悩まされている。鼻炎を感じる日は、抗ヒスタミン薬を飲むことにしている。
耳鼻科では主にレボセチリジン(ザイザル)を処方されている。これはよく効くが、耳鼻科に行くのが面倒だ。市販の抗ヒスタミン薬で間に合わせることの方が多い。
市販薬から最初に選んだのはフェキソフェナジン(アレグラ)である。ただ、効果は微妙だった。エピナスチン(アレジオン)の方がよかったので、そちらに切り替えた。

これまで述べたレボセチリジン、フェキソフェナジン、エピナスチンはいずれも第二世代の抗ヒスタミン薬である。しかし、これらの第二世代抗ヒスタミン薬では対処しきれないときもしばしばある。そういう日にアネトン(主成分はクロルフェニラミンマレイン酸塩)を試してみたところ、たちまち鼻水が止まった。
クロルフェニラミンは第一世代抗ヒスタミン薬に分類される。第一世代は第二世代の下位互換だと思っていたが、どうやらそうでもないようだ。第一世代抗ヒスタミン薬には抗コリン作用があり、これが眠気、口渇、尿閉などの副作用をもたらす。この副作用の大きさが問題視され、よりヒスタミン受容体への選択性が高い第二世代の薬が開発されたという歴史がある。
しかし、抗コリン作用もまた鼻水を抑える作用らしい。抗ヒスタミン作用はアレルギーを抑えるはたらきであるのに対し、抗コリン作用は鼻水の原因を問わず、とにかく鼻水を減らすようだ。鼻水と一緒に唾液まで減らしてしまうくらいには見境がない。
以前、鼻詰まりが続いて、膿が出てくるようになったことがあった。耳鼻科で診察を受け、アレルギー性鼻炎も放置するとウイルスや細菌の感染を招くということを教わった。こうなると、感染症が更に鼻水を増やす悪循環に陥る。このときは抗生物質を処方された。この経験を踏まえると、
(1) アレルギーが主である普段の症状には第二世代の薬を用い、
(2) 長引く鼻詰まりが鼻風邪に発展しそうなときは、代打として第一世代の薬を登板させる
という戦略が考えられる。先述のクロルフェニラミンマレイン酸塩は、例えば黄色のベンザブロックにも配合されている。本来アレルギーの薬のはずの抗ヒスタミン薬が風邪薬にも配合されている理由も、こう考えれば納得である。

アネトンにせよ、ベンザブロックにせよ、大抵の第一世代抗ヒスタミン薬を含む市販薬にはカフェインも配合されている。これは、第一世代抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を軽減するためだ。しかし、夜に飲むときはこのカフェインがむしろ邪魔になる。カフェインがほしい時は別途コーヒーを飲めばいいのだから、第一世代抗ヒスタミン薬単一成分の薬の方が使い勝手がいい。
第一世代抗ヒスタミン薬単一成分の薬がヨドバシ.comで買えないだろうかと探したところ、一つ見つかったのはドリエルだ。これはジフェンヒドラミン(第一世代抗ヒスタミン薬の一つ)の副作用を利用した睡眠改善薬として売られている。あくまで一時的な不眠が適応とされるが、鼻炎に使ってはならない道理はないだろう。しかし、鼻炎薬として見ると非常に高い。
さらに調べたところ、レスタミンコーワが見つかった。これは同じジフェンヒドラミン単一成分の薬だが、ドリエルと比べると相当安い。早速買ってみた。アネトンと比べて寝付きが良くなったという実感は今のところないが、ノンカフェインであることの心理的効果は大きい。鼻水にも同じくらい効く。
おそらくドリエルは、あの高価さをもって入眠目的で連用しないよう図っているのだろう。それをわかって使うのであれば、レスタミンコーワはドリエルの代替にもなると推測される。

私は、抗ヒスタミン薬に加えて点鼻薬も使用している。血管収縮剤は良くないと聞いているため、ナザールαARを選んだ。アンテドラッグステロイドであり、副作用が少ないらしい。抗ヒスタミン薬と一緒に使うと何が効いているのかよくわからなくなってくるが、きっと良い薬なのだろうと信じている。

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