「そよ風」は、純石鹸にキレート剤と炭酸塩を加えた製品である。キレート剤は、水中のCaやMgを内部に取り込んで除去し、金属石鹸の生成を防止する効果がある。炭酸塩は、水をアルカリ性に保つ働きがある。石鹸は酸性溶液中で界面活性作用が低下することが知られており、水をアルカリ性にすることは重要である。
「そよ風」の製造終了を受け、他の会社が製造している粉石鹸を探した。しかし、キレート剤と炭酸塩が配合された製品はなかなか見当たらない。結局、シャボン玉石けんの「純植物性スノール」を購入した。石鹸の溶解度は、石鹸を構成する脂肪酸の種類に依存し、概ね融点の低い脂肪酸を鹸化した石鹸ほど水に溶けやすい傾向にある。「純植物性スノール」は、植物油から作られており、水に溶けやすいことが売り文句となっている。
粉石鹸を洗濯に使用する際は、洗面器に水を張ってその水に粉石鹸を加え、手で攪拌してから洗濯機に投入するという一手間が必要になる。「純植物性スノール」に対してこの作業を行ってみたところ、その溶けやすさに驚いた。キレート剤や炭酸塩を含まない粉石鹸を初めて使ったが、それでこれだけ溶けるのかと思った。溶け残った粉のざらつきや塊が生じず、ふんわりした泡が作られるのがとても良い。
粉石鹸は低温の水に溶けにくい。これまでは、夏場は粉石鹸を使用し、水温の低下を見て液体石鹸や合成洗剤に切り替えるというような使い分け方をしていた。しかし、この「純植物性スノール」であれば、より長い期間使用できるかもしれない。
私がしばしば洗濯に石鹸を使用するのは、環境への影響を考えた結果である。ABSの頃と比べれば合成洗剤の環境負荷低減が進んでいるため、石鹸と合成洗剤のどちらが低負荷であるかについては議論がある。とはいえ、臨界ミセル濃度未満で急速に界面活性作用が低下するという石鹸の性質を踏まえると、やはり石鹸の方が河川・海洋の生物への毒性が低いと見て良いはずだ。
石鹸の環境負荷を考えるならば、キレート剤の使用は問題となる。「そよ風」に含まれていたキレート剤の詳細は不明だが、代表的なキレート剤のEDTAは生分解性が低いことで有名である。「純植物性スノール」を選択することは、石鹸の長所を引き出す上でも良いのかもしれない。
炭酸塩はセスキ炭酸ソーダとして簡単に手に入る。考えてみれば、Na2CO3の存在下でCaやMgは沈殿を作るはずだから、キレート剤がなくてもセスキ炭酸ソーダを適当に入れておけば十分だろう。
そういうわけで、石鹸の使用量削減を図るため、「純植物性スノール」の使用時にセスキ炭酸ソーダを加えることを目下検討している最中である。
粉石鹸は低温の水に溶けにくい。これまでは、夏場は粉石鹸を使用し、水温の低下を見て液体石鹸や合成洗剤に切り替えるというような使い分け方をしていた。しかし、この「純植物性スノール」であれば、より長い期間使用できるかもしれない。
私がしばしば洗濯に石鹸を使用するのは、環境への影響を考えた結果である。ABSの頃と比べれば合成洗剤の環境負荷低減が進んでいるため、石鹸と合成洗剤のどちらが低負荷であるかについては議論がある。とはいえ、臨界ミセル濃度未満で急速に界面活性作用が低下するという石鹸の性質を踏まえると、やはり石鹸の方が河川・海洋の生物への毒性が低いと見て良いはずだ。
石鹸の環境負荷を考えるならば、キレート剤の使用は問題となる。「そよ風」に含まれていたキレート剤の詳細は不明だが、代表的なキレート剤のEDTAは生分解性が低いことで有名である。「純植物性スノール」を選択することは、石鹸の長所を引き出す上でも良いのかもしれない。
炭酸塩はセスキ炭酸ソーダとして簡単に手に入る。考えてみれば、Na2CO3の存在下でCaやMgは沈殿を作るはずだから、キレート剤がなくてもセスキ炭酸ソーダを適当に入れておけば十分だろう。
そういうわけで、石鹸の使用量削減を図るため、「純植物性スノール」の使用時にセスキ炭酸ソーダを加えることを目下検討している最中である。
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