2024年9月19日木曜日

粉石鹸の切り替え

先日、洗濯用の粉石鹸を使い切った。これまで使っていたのは、ミヨシ石鹸の「そよ風」だ。同じものをヨドバシ.comで注文しようとしたところ、見当たらない。しばらく調べて、製造終了になっていたことがわかった。今時粉石鹸は売れないようだ。しかし、粉石鹸には安価で大容量という大きなメリットがある。
「そよ風」は、純石鹸にキレート剤と炭酸塩を加えた製品である。キレート剤は、水中のCaやMgを内部に取り込んで除去し、金属石鹸の生成を防止する効果がある。炭酸塩は、水をアルカリ性に保つ働きがある。石鹸は酸性溶液中で界面活性作用が低下することが知られており、水をアルカリ性にすることは重要である。
「そよ風」の製造終了を受け、他の会社が製造している粉石鹸を探した。しかし、キレート剤と炭酸塩が配合された製品はなかなか見当たらない。結局、シャボン玉石けんの「純植物性スノール」を購入した。石鹸の溶解度は、石鹸を構成する脂肪酸の種類に依存し、概ね融点の低い脂肪酸を鹸化した石鹸ほど水に溶けやすい傾向にある。「純植物性スノール」は、植物油から作られており、水に溶けやすいことが売り文句となっている。

粉石鹸を洗濯に使用する際は、洗面器に水を張ってその水に粉石鹸を加え、手で攪拌してから洗濯機に投入するという一手間が必要になる。「純植物性スノール」に対してこの作業を行ってみたところ、その溶けやすさに驚いた。キレート剤や炭酸塩を含まない粉石鹸を初めて使ったが、それでこれだけ溶けるのかと思った。溶け残った粉のざらつきや塊が生じず、ふんわりした泡が作られるのがとても良い。
粉石鹸は低温の水に溶けにくい。これまでは、夏場は粉石鹸を使用し、水温の低下を見て液体石鹸や合成洗剤に切り替えるというような使い分け方をしていた。しかし、この「純植物性スノール」であれば、より長い期間使用できるかもしれない。

私がしばしば洗濯に石鹸を使用するのは、環境への影響を考えた結果である。ABSの頃と比べれば合成洗剤の環境負荷低減が進んでいるため、石鹸と合成洗剤のどちらが低負荷であるかについては議論がある。とはいえ、臨界ミセル濃度未満で急速に界面活性作用が低下するという石鹸の性質を踏まえると、やはり石鹸の方が河川・海洋の生物への毒性が低いと見て良いはずだ。
石鹸の環境負荷を考えるならば、キレート剤の使用は問題となる。「そよ風」に含まれていたキレート剤の詳細は不明だが、代表的なキレート剤のEDTAは生分解性が低いことで有名である。「純植物性スノール」を選択することは、石鹸の長所を引き出す上でも良いのかもしれない。
炭酸塩はセスキ炭酸ソーダとして簡単に手に入る。考えてみれば、Na2CO3の存在下でCaやMgは沈殿を作るはずだから、キレート剤がなくてもセスキ炭酸ソーダを適当に入れておけば十分だろう。
そういうわけで、石鹸の使用量削減を図るため、「純植物性スノール」の使用時にセスキ炭酸ソーダを加えることを目下検討している最中である。

2024年9月6日金曜日

鼻炎薬の話

私はスギ花粉などのアレルギーを持っており、よく鼻炎に悩まされている。鼻炎を感じる日は、抗ヒスタミン薬を飲むことにしている。
耳鼻科では主にレボセチリジン(ザイザル)を処方されている。これはよく効くが、耳鼻科に行くのが面倒だ。市販の抗ヒスタミン薬で間に合わせることの方が多い。
市販薬から最初に選んだのはフェキソフェナジン(アレグラ)である。ただ、効果は微妙だった。エピナスチン(アレジオン)の方がよかったので、そちらに切り替えた。

これまで述べたレボセチリジン、フェキソフェナジン、エピナスチンはいずれも第二世代の抗ヒスタミン薬である。しかし、これらの第二世代抗ヒスタミン薬では対処しきれないときもしばしばある。そういう日にアネトン(主成分はクロルフェニラミンマレイン酸塩)を試してみたところ、たちまち鼻水が止まった。
クロルフェニラミンは第一世代抗ヒスタミン薬に分類される。第一世代は第二世代の下位互換だと思っていたが、どうやらそうでもないようだ。第一世代抗ヒスタミン薬には抗コリン作用があり、これが眠気、口渇、尿閉などの副作用をもたらす。この副作用の大きさが問題視され、よりヒスタミン受容体への選択性が高い第二世代の薬が開発されたという歴史がある。
しかし、抗コリン作用もまた鼻水を抑える作用らしい。抗ヒスタミン作用はアレルギーを抑えるはたらきであるのに対し、抗コリン作用は鼻水の原因を問わず、とにかく鼻水を減らすようだ。鼻水と一緒に唾液まで減らしてしまうくらいには見境がない。
以前、鼻詰まりが続いて、膿が出てくるようになったことがあった。耳鼻科で診察を受け、アレルギー性鼻炎も放置するとウイルスや細菌の感染を招くということを教わった。こうなると、感染症が更に鼻水を増やす悪循環に陥る。このときは抗生物質を処方された。この経験を踏まえると、
(1) アレルギーが主である普段の症状には第二世代の薬を用い、
(2) 長引く鼻詰まりが鼻風邪に発展しそうなときは、代打として第一世代の薬を登板させる
という戦略が考えられる。先述のクロルフェニラミンマレイン酸塩は、例えば黄色のベンザブロックにも配合されている。本来アレルギーの薬のはずの抗ヒスタミン薬が風邪薬にも配合されている理由も、こう考えれば納得である。

アネトンにせよ、ベンザブロックにせよ、大抵の第一世代抗ヒスタミン薬を含む市販薬にはカフェインも配合されている。これは、第一世代抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を軽減するためだ。しかし、夜に飲むときはこのカフェインがむしろ邪魔になる。カフェインがほしい時は別途コーヒーを飲めばいいのだから、第一世代抗ヒスタミン薬単一成分の薬の方が使い勝手がいい。
第一世代抗ヒスタミン薬単一成分の薬がヨドバシ.comで買えないだろうかと探したところ、一つ見つかったのはドリエルだ。これはジフェンヒドラミン(第一世代抗ヒスタミン薬の一つ)の副作用を利用した睡眠改善薬として売られている。あくまで一時的な不眠が適応とされるが、鼻炎に使ってはならない道理はないだろう。しかし、鼻炎薬として見ると非常に高い。
さらに調べたところ、レスタミンコーワが見つかった。これは同じジフェンヒドラミン単一成分の薬だが、ドリエルと比べると相当安い。早速買ってみた。アネトンと比べて寝付きが良くなったという実感は今のところないが、ノンカフェインであることの心理的効果は大きい。鼻水にも同じくらい効く。
おそらくドリエルは、あの高価さをもって入眠目的で連用しないよう図っているのだろう。それをわかって使うのであれば、レスタミンコーワはドリエルの代替にもなると推測される。

私は、抗ヒスタミン薬に加えて点鼻薬も使用している。血管収縮剤は良くないと聞いているため、ナザールαARを選んだ。アンテドラッグステロイドであり、副作用が少ないらしい。抗ヒスタミン薬と一緒に使うと何が効いているのかよくわからなくなってくるが、きっと良い薬なのだろうと信じている。

2024年9月2日月曜日

ところてんを食べた

セブンイレブンのところてんを買った。
セブンイレブンのところてんには鰹出汁が自慢の酢醤油が付いている。関東の人はところてんに酢醤油をかけて食べるとは聞いていた。とはいえ、私が今食べたいのは蜜のかかった甘いところてんだ。酢醤油は冷奴にでもかけることにして、冷蔵庫へしまう。代わりに取り出したのが、オリゴ糖シロップだ(ちなみに私は砂糖を持っておらず、甘味は全てオリゴ糖シロップで賄っている)。こいつをところてんにかけて食べる。

なんやこれ!酢の味がするやんけ!

なんと、ところてんがひたっている水が既に酢を薄めたものだったのだ。してやられた。
関西出身者がところてんを食べるときは注意してほしい。