2021年12月20日月曜日

小説「天使にまつわる摩擦」

これは「じゃれ本」のルールを踏まえ、AIと一緒に執筆したリレー小説である。まずはこちらの記事をご覧いただきたい。

リレー小説をAIと執筆!「現在の温度は変換器」

以下、同様のルールで書いた小説「天使にまつわる摩擦」を掲載する。今回は[1]を私が、[3]を北が担当した。

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小説『天使にまつわる摩擦』

[1]
「ねえ、天使の取り分って知ってる?」
余市のニッカウヰスキーの工場を訪れている最中、彼女はこう切り出した。私、大室梢(こずえ)は友人の町田紬(つむぎ)と北海道旅行に来ていた。私は答えた。
「聞いたことない。何それ?」
「ほら、ウイスキーって樽の中で熟成させるでしょ。その間にウイスキーの量が少しずつ減っていくの。それが天使の取り分」

[2]
「へー。初めて知ったよ」
「それでね、その減った分だけ私たちも美味しいお酒を飲めるんだってさ。なんかいいよね、そういう考え方って」
私たちは工場見学を終えて、試飲用のグラスに入ったウィスキーを飲みながら話していた。

[3]
 「あ~ちょっとすみません?減った分とはおっしゃってますが、その副作用がお酒をたくさん飲めるようになるって事だけじゃ無いことには気づいてますかね?」急に会話に割り込んできたのは、いかにも成金趣味な服装に身をつつんだ下品なツラのジジイだった。「えっと…どういう意味ですか?」とりあえず最初は年上の大人に接する時の態度で返事をする。 

[4]
「いやね?あの薬は確かに副作用として強い多幸感とアルコールへの欲求を与えてくれるんですけどねぇ、あれだけの量を一気に飲むとなると、どう考えても致死量に達するんですよ。それこそ何日かに分けて少しずつ飲んでいればそんな事にはならなかったはずなのに」

[5]
「……え?」
私は思わず聞き返した。
「私たち、死ぬんですか?」
「死ぬ死ぬ。死ぬよ。君たち二人ともあの世行きです。当院でできることは何もありません」
「えーっ。ヤバっ」
私と紬は完全にテンパってしまった。
「命が削れる。これが本当の天使の取り分ってね」
私は言った。自分でも意味がわからない。
「アハハハハ」、私たち、天使になっちゃうんだ。一緒に地獄へ行こうね」
紬の言っていることももはや意味がわからない。とりあえず病院を後にした。すると

[6]
「あれ? なんだか体が軽いわ」
確かに足どりが軽やかに感じる。今ならどこまででも走っていけそうだ。私と紬は大笑いしながら走った。そして気がつくといつの間にか自宅の前にいた。
「ただいまあ!」
「おかえりなさい」
お母さんの声だ! 私たち二人は玄関から飛び出した。しかしそこには誰もいなかった。
「あれ? お母さあん…………」
その瞬間、全身に激痛が走る。見ると私の背中には大きな翼が生えていた。

[7]
「あなた…それ…つばさ…うっ ぎゃっ」
私を見て驚いていたミカの身体にもリアクションをするヒマすら与えずに変化が起こる。見ると私のように急に翼が生えた感じでは無い。左右の肋骨五本ずつがメリメリと音を立てながら身体の側面の皮膚を突き破り身体の外側へとはがれ、背骨を支店に背中側から垂直に延びるような角度まで向きを変えた後、今度はそれぞれの骨が急速に延びていき、そこから筋肉、皮膚、羽根が生成され翼となっていく過程がおよそ30秒にわたって繰り広げられた。

[8]
その様はまるで蛹から羽化した蝶のようだった。そして出来上がったその姿は、先ほどまでの人間とは似ても似つかない姿であり、もう既に人間では無くなっていた。そうして出来あがったその生き物の姿を一言で表すなら『鳥』であった。だが、ただの鳥ではない。

[9]
「緋色の鳥」だ。SCP-444-JP。人の心を喰らい、成長する怪物。収容違反が起きた。緋色の鳥の浸食はついにこの現実世界にまで及んだ。 クレフ博士は、あたりが夕闇に包まれたのに気づいた。急いでSCP-2000の元に向かわねば、全てが手遅れになる。だが、彼は動けなかった。

[10]
 彼が見上げる先には、先ほどまで存在しなかったはずの巨大な赤い怪鳥の姿があった。 『■■■■―――ッ!』 SCP-444-JPが哭いた。 その瞬間、クレフ博士の視界から、

[11]
光は消え、音を感じることもできなくなり、そのまま息絶える事となった。この恐ろしい怪物の出現による事件は「天使による摩擦」と称され、事の発端となったサントリーの山﨑蒸留所の中にはこの出来事を風化させないための碑が建てられることとなった。


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余市のニッカウヰスキーちゃうんかい!

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