前日、ご飯を炊こうと炊飯器を開けたところ、洗うのを忘れて放置していた釜がカビだらけになっていた。そこで、それを見なかったことにして、鍋をガス火にかけて米を炊いた。そうすると米が生煮えの状態になった。面倒だったのでそのまま食べた。その結果、何時間経っても米を消化することができず、夜中に気分が悪くなって嘔吐してしまった。そのせいで十分に眠ることができず、当日の朝は寝坊した。米はちゃんと炊いた方がいいらしい。
さて、当日電車に乗っていると、いつの間にか隣の席におくがいた。
私「うわ、びっくりした。俺が遅れるって言ったから合わせてくれたん?」
おく「うん」
私「優しい。おくの家からここまでどれくらいかかるん?」
おく「一時間半くらい」
私「......ん?じゃあ俺の寝坊とは別に君も遅刻しとったってこと?」
おく「そうとも言う」
おくは、私が気を使わなくて済むよう自分も遅刻したことにしておいてくれたようだ。これがおくなりの優しさである。
まずは大仙古墳に行った。おく曰く「近くから見てでっけーって言いたい」とのことなので、近くから見ることにした。百舌鳥駅で降りてしばらく歩くと、祝賀ムードが漂ってきた。
祝賀ムード漂う公園 |
私「素朴な良さがある」
うだうだ歩いていると古墳に着いた。
大仙古墳 |
おく「でかすぎて、でかさがわからん」
私「でかくはないよな......。でかいというより、広い。その点ピラミッドは偉いよな。ちゃんと高さがあってでかいと思えるようになっている」
おく「古墳分かっちゃったな。広い」
私「古墳まとめ でかくない 広い」
おく「昔の人、「これでかすぎね?」って作っている途中で気付かなかったのかな」
私「みんな薄々気付いていたけど、一回偉い人が作るって言い出してしまったからもう誰も止められへんかったんやろうなあ」
おく「ユネスコの人たちも、ここ来たとき「え......何これ......」ってなったよね」
今も昔も日本には同じ病理が潜んでいるようである。
次はバイオエタノールを作っている工場に行った。最寄りのバス停から50分ほど歩いて工場に行った。
私「いや、これ遠い!」
おく「雨も降ってきたし普通に遠いし普通に遅刻する。連絡するか」
私「お願いします」
20分遅れると電話したが、OKとのことだった。
おく「これ向こうの人も歩いてくるとは思ってないよね。普通はタクシーか車で来る」
私「歩いて行くようなところではなかったな......」
おく「どこかでレンタカーを借りるのが正解だった」
私「そうやな......その正解、昨日気付きたかった」
おく「この気付きを次に活かしていこう」
私「これ、"次"あるの!?」
おく「それにしても、こうやって歩いているの警備員さんとかにどう思われているんやろう」
私「意味不明な怪しい二人組でしかない」
やっとのことで工場に着いた。まずはビデオとスライドで工場の説明を聞いた。バイオエタノール製造は儲からないので、木材チップを売ったり、廃木材を燃やして作った電気を売ったりして事業として回しているそうだ。
私「儲からないのにも関わらずバイオエタノールを作り続けているのは、CSRの観点からこの事業を行なっているということですか?」
工場の人「そうですね、CSRもありますし、広報という意味もあります。また、環境省の助成を受けて建設したプラントですので、そう簡単にやめられないということもあります。一度やめてしまうと再開するのが難しくなりますので、バイオエタノールが必要になる未来に向けて、細々とでも事業を継続しております」
私「廃木材のエネルギー利用としては、この工場でもされているように、直接燃やして電気にするという方法もあります。わざわざエタノールに変換することにはどのようなメリットがあるのですか?」
工場の人「一つは自動車の燃料になるというのがあります。ただ、自動車業界としても環境対策は電気自動車などの方向にシフトしてきておりまして、バイオエタノールの普及は今のところあまり進んでいないという状況です」
そのあとは工場を見学させてもらった。
工場の人「建築現場などで出た廃木材には釘などが含まれておりますので、刃ではなくハンマーで破砕してチップにしています」
しばらくすると工場の人から質問を受けた。
工場の人「今日はタクシーでここまで来られたんですか?」
私「いいえ、徒歩で」
工場の人「私も一度走って通勤しようとしたのですが、数日で断念しました」
後のことは特に覚えていない。工場を一周し、お礼を言って工場を出た。
おく「火力発電所のときほどじゃなかったけど、良かった」
私「火力発電所は神回だったからな。今回も良かったけど、惰性で事業を続けている感じがROCKじゃなくてちょっとマイナスだった」
おく「バイオエタノールの現状が見えたよね」
私「現実はいつもROCKじゃない、現実はいつもクソッタレ」
おく「あの案内してくれた人面白かったよね、あの......」
おく・私「走って通勤」
私「あれな、よく数日続いたよな。本当偉い」
おく「あとハンマーで潰すってのが良かった」
私「単純な暴力、良い」
おく「暴力は世界を救う」
こうして世界は救われたのであった。めでたしめでたし。
[追記]
「おく」もこの日の出来事についてblogを書いている。
Voices Inside My Head: 08/28 堺市
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