私の部屋のエアコンは、三菱電機の霧ヶ峰である。自分で選んだわけではなく、入居時からの備え付けなのだが、霧ヶ峰を選んだ人はセンスがいい。なんでも、霧ヶ峰はエアコンの中でも有数の分解しやすさという評判である。メンテナンス性が良く、私はとても気に入っている。
実家にあるのはダイキンのエアコンなのだが、これはダメだ。エアコンを分解する者へのホスピタリティがまるで感じられない。冷房をワンシーズン使うと、エアコンの内部は容易にカビだらけになる。これが掃除できないまま蓄積していくことのは我慢ならない。
これから暑くなってくる。毎月エアコンを分解するわけにもいかないので、「エアコンの防カビスキマワイパー」という商品を買ってみた。しなやかに曲がり、エアコンの中の奥まで届いて汚れを掻き出せる。楽に汚れを取ることができて、掃除していて気持ちいい。
ワイパー用のシートにはCPCとIPMPが入っていて、カビの再繁殖を防いでくれるそうだ。CPCやIPMPは、うがい薬、薬用石鹸、薬用ハミガキ粉などにも使われる殺菌成分である。コロナ禍を経て、私は健栄アズレンCPCといううがい薬を愛用するようになった。こうやって他の場所でCPCやIPMPを見かけると、進研ゼミでやったところがテストに出たような嬉しさを覚える。
梅雨に備えて、小型の除湿機を買ってみた。除湿機にもさまざまなタイプがあり、私が買ったのは「ペルチェ方式」と呼ばれるタイプのものである。金属の素子によって温度差を作り結露させる方式で、安価、静音、小型という特長を持つ一方、除湿力は低い。試しに使ってみたが、やはり雨の日に洗濯物を乾かすには頼りない印象が否めない。
梅雨や夏の雨の日に洗濯物を乾かす用途なら、コンプレッサー式が最も優れているとは言われている。これはエアコンの冷房で結露が生じるのと同様の原理で動いており、冷媒によって温度差を生み出し、除湿する。コンプレッサー式はペルチェ式より大きな温度差を作ることができ、ハイパワーである。他にデシカント式という方式もあるが、室温を上げやすいため、夏の除湿にはあまり向いていない。
こういった除湿機の知識を持ちながらも、どうしてもコンプレッサー式除湿機を買うことができなかった。問題は、コンプレッサー式に冷媒が使用されている点である。冷媒に使用される代替フロン(HFCなど)は、オゾン層を傷つけたり、地球温暖化を進めたりするとされる。これを漏らさずにリサイクルしてもらうにあたって、どう除湿機を捨てたらいいのかわからない。
エアコンのリサイクルについては家電リサイクル法で規定されているが、エアコン以外の冷媒使用製品については今ひとつ法整備が進んでいない。コンプレッサー式除湿機を普通に粗大ゴミに捨てると、自治体に雑に扱われ、冷媒が環境に放出されるのではと懸念している。この懸念は、SDGsを尊ぶ私にとって非常に重い。
フロン類回収業者を呼べば安全なのだろうが、呼び方や費用がわからない。私は、日本の国民全体の中でも環境問題にかなり詳しい方だと自負している。私でさえ困るとなると、今もどこかで捨てられた除湿機から冷媒が流出しているのではと思えてならない。
法整備が進むまでは、除湿機の製造業者は使用済みの製品の回収に努め、製品の一生をサポートするべきだ。さらに、政府には冷媒使用製品全般のリサイクルに関する法整備を進める責任があるだろう。このような現状は、一消費者・一有権者として大変残念である。
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