私は重い花粉症を持っており、幼少期からずっと耳鼻科に通い続けている。地方は店も少なければ病院も少ない。実家に住んでいた頃は耳鼻科に選択肢などなかった。いかにも昭和らしい病院で、主治医がぶっきらぼうで怖かったのを覚えている。
上京して耳鼻科に選択肢ができたことに感動した。今通っている病院は、実家時代のかかりつけ医とは対照的に、清潔感があり、設備が充実していて、先生が優しい。Webで予約できるため待ち時間も短くなった。治療に関して、判断の根拠などを尋ねると丁寧に教えてもらえるのもよい。
膿を含む鼻水が出ているときに耳鼻科に行くと、かつては「これは鼻風邪ですね」と抗生物質が処方されていた。同様の状況で今の病院に行ったところ、抗生物質と抗ヒスタミン薬が処方された。「アレルギー性鼻炎で副鼻腔に鼻水が溜まり、そこに細菌やウイルスが繁殖したのだろう」という話だった。「ウイルス性なら抗生物質は効かないのでは」と尋ねると、「細菌性かウイルス性かは鼻鏡で観察しただけでは分からない。抗生物質を使ってみて、それが効いたら細菌性の鼻炎だということになる。一度試して、効かなかったらまた来てほしい」と教えてくれた。
私は治療方針に納得し、その通りに処方してもらった。結果、たちどころに治った。医者を信頼して薬を飲んだので、飲み忘れが減り、且つプラシーボ効果も得られたということだろう。
もう一点大きく違っていたのは、舌下免疫療法を始められた点である。これは花粉症の根治療法とされているが、処方には医師が所定の講座を受講していることが必要で、どの病院でもできるわけではない。実家の近くの病院ではできなかった。どこでも同じ医療が得られるわけではないというのをこのとき特に実感した。
今のかかりつけ医の先生は理知的かつ温和そうな雰囲気を纏っていて、診察されるたびに憧れを感じる。あのような歳の取り方をしたいと思っている。
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