神はなぜ私を見捨てたのだろうか。いや、神なんてとっくに死んでいたのかもしれない。ともかくも私の世界に神はいない。私はそう信じざるを得なかった。視界が絶望で染まる。私に突きつけられたのは、敗北の二文字だった。
苦しかった。いつもの道。家へと続く、通い慣れた道。そんないつもの道が遠かった。
私は一体どこで間違えてしまったのだろう。このままではまずいと分かっていた。あと一歩。そのあと一歩が及ばなかった。あのときもう少し自分の心の声に素直になれていたら、結果は変わっていたのだろうか。だが、今更どうすることもできなかった。いつだって後悔は先に立たないし、覆水は盆に返らない。人生における最大の敵は私自身であり、この敗北は己に対する敗北だった。私は、私に対してあまりに無力だった。この無力さが私を喪失へと導いた。私が、己がひどく惨めな姿をしているのを認識したとき、頬に1つの滴が伝った。私には、その滴が汗か涙か分からなかった。
私はお気に入りのジーンズを捨てた。
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