2018年10月11日木曜日

私の院試体験(4)

・7月下旬~末
京大に出願したとは言っても、深く考えずに出願手続きをしたため、物理専攻の方の出願をしていなかった。し忘れていたのではなく、受けるのも面倒だから出願しなくて良いかと思っていたのだった。そうして、京大は化学だけで受けることになった。研究室志望順位表には二つの研究室を書いていた。
京大化学で研究室見学していたのは第一希望のところだけだった。京大の出願締め切りがすぎた後、この夏休みで第二希望の研究室のところを見せてもらおうとメールを送ったのだが、数回のやり取りの後、「そんな甘い考えでうちに来ない方が良い(意訳)」という感じのことを言われた。私は看破された通り甘い考えの持ち主であったので、ここはちょっとやめておこうかと思った。そうして、第一志望研究室に合格以外は不合格という状況になってしまった。京大の研究室は北大と違ってそこそこ人気があるようだった。落ちたら北大に行けば良い、元から本命も何もなかったではないかとはいっても、落ちることを想定するとやはり恐ろしい思いがした。私は物理専攻の方にも出しておけば良かった、あるいは東大の方に出しておけば良かったか、と後悔と迷いの気持ちに苛まれた。

・8月初頭
この時点では京大化学の過去問(*1)の中身はまともに見ていなかったが、専門科目は「物理学」「物理化学」を、基礎科目は「物理学」「物理化学」「無機化学」「分析化学」を選択すればなんとかなるだろうと思っていた。なぜだか数学専攻と化学専攻を受験することになってしまったが、私の本来の専門は多分物理だと推測されている。従って、化学の本丸である有機化学を回避して、物理学で点を稼げば勝てるという作戦だった。物理だけでなく数学の試験もあればなおのことよかったのだが、残念ながら数学はなかった。
「分析化学」という分野は見たことも聞いたこともなかったので、図書館に行って一冊本を借りた。「物理化学」の中身は化学熱力学、反応速度論、分子分光学であることが過去問を眺めてわかったので、勉強したことがなかった分子分光学の本も借りた。分子分光学の研究室に所属していて分子分光学を勉強したことがないというのは不思議な状況だなあと自分でも思ったが、事実なので仕方がなかった。どうしてこうなったのか自分でもわからない。ついでに化学熱力学の本も借りておいた。まあ熱力学と大して変わらないだろう(*2)。あとは「無機化学」だが、過去問を見ると物性化学の範囲とだいたい被っているようだった。物性化学でどうにもならない問題は捨てることにした。
勉強道具を支度して実家に帰った。祖母や母にご飯を作ってもらえれば勉強に集中できる。祖母は腰の調子が悪いようだったが、ありがたいことに美味しいご飯を作ってくれた。
帰省して最初の数日は「カオス」の授業のレポートを書くのに充てた。プログラムを組んで数値計算するのに四苦八苦しながらもなんとか完成させた。北大の力学系・位相空間論は大体の骨子ができているので良い、TOEFL ITPも6月に勉強したということで、ほぼ手付かずの状態の京大化学対策にしばらく注力することにした。
北大の口頭試問は8/19、京大の試験は8/21-22だ。8/17には実家を出なければならないだろう。実家で勉強できる時間は、あと2週間ほどだった。(続く)

(*1)公式ウェブサイトに公開されている(http://www.kuchem.kyoto-u.ac.jp/master_past_issues.html)。
(*2)ただし、その熱力学がよくわからないという弱点を抱えていた。

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